ルカ・バルディセリは、キミ・ライコネンがドライバーズタイトルを獲得したからといって、2008年にライコネンがチームメイトのフェリペ・マッサよりも優位になることは無いと強調している。また彼は、2人のドライバーを公平に扱うことは常にチームのポリシーであると語っている。
1989年以来ずっとマラネロに籍を置くテクニカルディレクター、バルディセリは、新年早々に最新マシンを送り出すことができるように準備しなければならないため、この冬は多忙となるだろうと予想している。また、来季のF1は規定が大きく変更となるが、それでもニューマシンは、革新的に変化するというよりもむしろ現在のマシンを進化させた形となると語る。
そして「決して止まることは無い」とバルディセリはイタリア紙『ラ・スタンパ』に語っている。
「来季に向けての準備作業を行い、またさまざまなテストを行わねばならない。今シーズンのウィークポイントであった信頼性の問題も解決しなければならない。そして1月14日のヘレスでのテストでは2台の新車を持ち込みたいと思っている」
「来季よりギヤボックスは4つのレースで使い続けなければならないし、トラクションコントロールの使用が禁止されるため、サスペンションのジオメトリーも修正する必要がある。(新車は)F2007年を大幅に変更したものというよりも、どちらかというと正常進化させた形になるだろう」
バルディセリは、チームの中心人物としてステファノ・ドメニカリをジャン・トッドの後任とする人事を喜んでいる。また、今年ライコネンは成功を収めたけれども、特定のドライバーに偏りが生じることは無いと強く主張する。さらに2007年を通じてフェラーリの最大の悩みの種となったマクラーレンのルーキー、ルイス・ハミルトンに対しては賞賛の言葉を投げた。
「2人との関係は完全にリセットされている」と断言するバルディセリ。
「キミもフェリペも再びゼロからのスタートだ。すなわち2人の間の上下関係はトラックで決まることになる。ミハエルがここにいたときもそうだった。例えばバリチェロは2003年、素晴らしい成績でシーズンを終えた。そして期待を込めて2004年シーズンが始まったが、幕を開けてみれば最初の5レースで勝利を収めたのはミハエルの方だったのだ」
「ハミルトンは非常に素晴らしい。中国では、タイヤが完全に終わっているのに彼をコースに留まらせたチームのミスによって敗れた。そしてブラジルでは、彼自身が痛恨のミスを犯してしまった。結局はアロンソとの不和が原因として大きかったのだろうと思う。それが我々にとってはいい結果をもたらした」