BMWのモータースポーツディレクター、マリオ・タイセンは、2008年のチームの目標はブレークスルーとなる優勝だと述べた。しかし、彼は同時に、フェラーリやマクラーレンとF1選手権タイトルを争うのはまだ難しいだろうと認めている。

　ニック・ハイドフェルドとロバート・クビカの見事なパフォーマンスのおかげもあって、BMWは2007年シーズンを通じてトップ2に最も近いチャレンジャーだった。2人のドライバーはドライバーズ選手権を5位と6位でフィニッシュし、チームも（マクラーレンが同選手権から除外された結果とはいえ）コンストラクターズ選手権2位を得た。
　特にコンストラクターズ部門での躍進は目覚しく、彼らはディフェンディングチャンピオンであるルノーの2倍近いポイントを獲得しただけでなく、チーム創立以来初めて年間合計100ポイントの壁を破ることができた。タイセンもこの成績には満足しているという。

「トヨタやホンダといったチームがトップを狙うことを公言して開幕を迎え、あるいはルノーが昨年のポジションを維持しようとする中で、今年私たちは本当に素晴らしい成績を達成した」と、タイセンはチームスポンサーのクレディ・スイスが発行するEマガジンのインタビューに答えた。
「こうしたライバルチームが彼らの目標を達成できなかった理由については、私には何とも言えない。クルマの開発の方向性を誤ったのかもしれないし、ワンメイク化されたタイヤへのスイッチがうまくいかなかったのかもしれない。だが、それとは対照的に、私たちは冬の間に大きな進歩を実現した。そして私たちが作り上げたF1.07は昨年のクルマよりも明らかに速かった」
「2年目のシーズンに向けて、私たちは最低でも（コンストラクターズ）4位という目標を設定した。結果として3位に入ったので、目標をひとつ上回ったことになる。マクラーレン・メルセデスが失格になったために、今年の公式記録としては2位だったが、私たちは現実的に物事を見ている。つまり、まだ私たちよりも速いクルマが4台存在したことは認めなければならない。そして私たちはコース上で彼らに勝つことを望んでいる」

　フェラーリやマクラーレンに勝つことを目指すとすれば、やはり2008年はチームとしての初勝利を目標に置かざるをえないだろう。だが、タイセンによれば、チームにとっては前を行くライバルばかりでなく、後方から追い上げてくるライバルにも注意を払うことが重要だという。
「来年はぜひとも初勝利を挙げたいし、究極的にはそれが1勝だけでなく、2勝目、3勝目につながることを望んでいる。しかし、それがどれほど難しいことかも十分に承知している。フェラーリとマクラーレンは長年にわたってトップに君臨しており、経験という点でも有利な立場にある。この2チームを相手に戦って優勝を勝ち取るのは、まず容易なことではないだろう」
「（だが）この2チーム以外のライバルも決して侮れない。彼らもまた強烈なプレッシャーに曝されている。私たちと同様に、全てのチームが決意も新たに戦いに臨んでくるという状況に対処しなければならないのだ。その点において、まず真っ先に頭に浮かぶのがルノーだ。彼らは2年連続のワールドチャンピオンチームであり、今年はわずかにつまずいて遅れを取っただけだ」
「シーズン終盤にはウイリアムズとレッドブルも好調さを示した。彼らの動向からも目が離せないだろう。ホンダとトヨタに関しては、来季の彼らのパフォーマンスを推測するのは難しいところがある」

• -
  ツイート
• 0
  シェア