2、3カ月前には、シートの数を大幅に上回るドライバーを抱えていたBMWザウバーだが、現在はティモ・グロックとセバスチャン・ベッテルの代わりとなる新しいテストドライバーを探しているようだ。
GP2チャンピオンであるグロックは、まだ正式な発表はないものの、まもなくトヨタかウイリアムズのドライバーとして発表されるだろうと見られている。それに伴い、BMWのテストドライバーに空席ができそうだ。ベッテルはシーズン半ばにスクーデリア・トロロッソへ移籍している。
ドイツのアウト・モーター・ウント・シュポルト誌は、ニック・ハイドフェルドとロバート・クビカをサポートする第3ドライバーのシートは、4人の候補者のうちの誰かが射止めるのではないかと報じている。
イギリスのファンの関心を最も集めるのは、アダム・キャロルだろう。キャロルはGP2シリーズに復帰し、シーズン後半の限られたレースにしか出場しなかったにもかかわらず、2度の優勝と数回の表彰台を獲得するという活躍を見せた。
北アイルランド出身のキャロルに有利に働きそうな要因は、彼が今年に至るまでに、BARホンダの開発ドライバーとして働いた経験があるということだ。
また、当然ながらドイツ人ドライバーも候補に挙げられている。BMWと関わりのある、ニコ・フルケンベルグとクリスチャン・ビエトリスだ。
ウィリー・ウエーバーの支援を受けるフルケンベルグは、去年のA1GPではチーム・ドイツを圧勝に導いて一躍有名になった。フルケンベルグもビエトリスも、かつてフォーミュラBMWドイツで優勝経験がある。ビエトリスの方は、2006年フォーミュラBMWワールド・ファイナルで優勝した褒賞として、BMWザウバーのマシンをテストする予定となっている。
4人目の候補者は、今年イギリスF3チャンピオンとなったマルコ・アスマーで、彼もまた、わずかながらBMWとのつながりがある。エストニア出身のアスマーは、2003年に、BMWエンジンのウイリアムズのテストをしたことがあるのだ。そして彼は、今季ハイテック・レーシングでの最多勝記録を更新したことにより、来季はGP2のいいシートに座るのではないかと見られている。