F1史上初のナイトレースが、また一歩実現に向けて動いた。このほどシンガポールGP社がイタリアに本社を置くバレリオ・マイオリ社と、同イベントに必要な照明装置の設計および施工について同意書にサインを交わしたのだ。

　すでに7月と9月にポール・リカールで2種類の照明テストが実施され、インディアナポリスでは、提案されている照明装置をレース環境下において検証するための簡易実験も行われた。担当ドライバーからは大きな問題も報告されず、シンガポールでのシステムを仕上げるための作業が進められることになる。

　シンガポールGP副会長のコリン・シンはこう語る。
「F1初のナイトレースをやり遂げるのは大仕事だが、経験豊富なバレリオ・マイオリなら、問題なく照明装置を用意してくれると確信している」

　バレリオ・マイオリ社は、照明および通信のシステム開発を専門とし、その40年におよぶ経験をF1プロジェクトで活用する。FIAによる承認のため先週提示されたシステムは、2006年終盤から開発が続けられてきたという。
　提案されたシステムにおいては、トラック全体で1、500台近い投光機と、ツインパワーの発電機12台が使われる予定だ。サーキットを照らすのに平均約3、000ルクス程度が求められ、これによりハイビジョン放送規格を満たすことができる。この結果、同サーキットは、他の一般的なスタジアムよりほぼ4倍も明るくなる予定だ。
　この照明装置は、レース時に予想される諸条件と同様に設定された環境下でテストするため、1月初めにシンガポールに持ちこまれる。バレリオ・マイオリ社は装置のすべてを設定するのに2〜3カ月かかると予想している。

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