2006年最終戦ブラジルGP。2つのタイヤメーカーが闘う、最後のレースでもある。そして今週末もやはり、タイヤ性能が勝敗を大きく左右しそうだ。インテルラゴスは伝統的に、ミシュランが得意とするサーキット。Hondaにも、チャンスはあるかもしれない。
−先週は主要チームがテストを重ねる中、Hondaは参加していませんでした。これは単純に、テスト日数を使い切ってしまったから?
「はい、そうです」
−ブラジルに向けては、何か新しいものは?
「風洞でうまくいったものを、入れるつもりです。空力パッケージの細かい改良です」
−最終戦を残して、チームの選手権4位が確定しましたが、ブラジルGPでの目標は?
「やっぱり勝ちたい。非常に難しいですけれど。シーズンの最終3戦は、バラエティに富んだコースが続いていますね。上海は非常に長いストレートと、かなり厄介なぐるっと回り込んだコーナーがあり、スズカは高速コーナーやS字があります。そしてインテルラゴスは、コース自体が高速区間と低速区間にはっきりと分かれているという具合です。そんな中、表彰台こそ上がることはできなかったけれど、上海やスズカでは、そこそこ戦えました。それだけに次戦のブラジルGPも、それなりに戦えるとは思っています」
「アロンソも、いつものような何が何でも勝つというような走りはしないでしょう。1点取れば、チャンピオンが決まるわけですから。一方のシューマッハは、最後の最後まであきらめないでしょう。けれどもこのサーキットも、最終的にはタイヤが勝負を決めるのではないかと、考えています。ミシュランが勝っていれば、スズカとは逆の展開になります。そうすれば、我々にもチャンスがあると思っています」
−スズカでは、2つのタイヤにあれだけの性能差が出てしまったことにびっくりしました。
「そうですね。でもレースでは、予選ほど大きな差はなかったでしょう。前日まで雨が降っていたために、土曜日はコースが完全にグリーン(ラバーが路面に付かず、グリップのない状態)でした。そういうコンディションでは、今年のミシュランには不利なんです。ミシュランタイヤには、ある程度ラバーが乗らないと真価を発揮しないという傾向があります」
−ということはインテルラゴスでも、路面状況によってはミシュラン勢が苦戦する可能性がありますね」
「その可能性はもちろんあります。このところのブリヂストンは非常に調子がいいですからね。伝統的には、ブリヂストンのスズカ、ミシュランのインテルラゴスといわれているんですけれど」
−シーズン終盤を見ていると、フェラーリ、ルノーはともかく、マクラーレンにはライコネンに対してでも優位に立てている印象ですが。
「結果だけ見ると、そうですね。でもやっぱりライコネンは、がんばりますからね。いつも完全に勝ち切れている感じではないです。2勝1敗という感じでしょう。特にインテルラゴスは最終戦ですし、彼らも未勝利では終わりたくないでしょう。そういう意味では、彼らも、うちも、どのチームも必死にやってくるはずです」