Honda Racing F1 Teamは今週、シーズン最後の2連戦を戦うべく、アジアへと向かう。その最初が上海での中国GP。そして翌週に控えているのが、Hondaの母国グランプリとなる鈴鹿での日本GPである。
チームはスペイン・ヘレスで計6日間のテストを2週間にかけて行い、車体・エンジンのさらなる戦闘力アップを目指した。シーズン終盤3戦で、ルーベンス・バリチェロとジェンソン・バトンが最高の結果を出せるよう、あらゆる可能性が試された。日本GPから投入予定の最新仕様のエンジン。タイヤや空力評価、そして電子制御システムの改良など、盛りだくさんのメニューで行われた。
上海に向けて、すでに30トン以上の資材が空輸された。中国GP前の週末には、バトンとジェームズ・ロシターが東京・お台場での「モータースポーツ ジャパン2006 フェスティバル イン お台場」に参加。RA106などでデモンストレーション走行する。
■ルーベンス・バリチェロ
「上海サーキットは設備もすごいけど、さらに注目すべきはコース自体の難易度の高さだよ。個人的には初開催の2004年に、ポールからスタートして優勝を飾ることができた。それがすごくいい思い出になっているね。残り3戦の僕の目標は、何とか表彰台に上がること。今のマシンの戦闘力を見れば、それは決して難しいことではないはずだ。ヘレステストでは空力や電子制御、そしてタイヤ評価などをやったけど、いずれもいい結果が出ているしね。何より車体もエンジンも、信頼性は高いし、僕らはここのところレースで好成績を残しているけど、残り3戦はそれ以上のものを望んでるよ」
■ジェンソン・バトン
「中国GPは最初からすぐに、僕の大好きなグランプリになったよ。この2年間、本当にすばらしい雰囲気を堪能してきた。コース自体は非常にテクニカルで、ドライバーの技量が試される。でも同時に、運転していて非常に楽しいサーキットでもある。たとえば1コーナーのような、長いコーナーとかね。首への負担は、相当のものだよ。2004年にはルーベンスに次ぐ、2位表彰台を獲得した。ここのコースは、今年の僕らのマシンに合ってると思う。ヘレスでの最後のテストもとてもうまくいったし、終盤3戦は、有終の美を飾りたいね」
■ジル・ド・フェラン
スポーティング・ディレクター
「過去の中国GPで2人のドライバーはともに、好成績を挙げている。われわれにとって、今年も期待できるレースになりそうだ。特にここ数戦、チームは好調を維持しているし、ヘレステストで好感触を得られた。テストでは、残り3戦で投入予定のスペックを試せたし、大きな手応えを得ている。上海のサーキットは施設もものすごいが、長いストレートと、低速から中速までのコーナーが絶妙に配置され、コースレイアウトもすばらしい。中でもいくつかのコーナーの長さは、ほかに類を見ない。特に1コーナーは時速280km以上の全開状態で突っ込んで、ブレーキング。そこから6秒間、ずっと旋回が続くんだ。ぜひ今年もここで、トップ争いを再現したいと思ってるよ」