2005年シーズンのF1選手権もヨーロッパラウンドを終え、残すところ3戦となったが、各チームは開発の手を休めることなく終盤戦へと突入する。パナソニック・トヨタ・レーシングは、9月13日(火)から、イギリスのシルバーストーン・サーキットで行われたF1合同テストに参加した。今回のテストには、13日(火)から15日(木)の3日間に渡ってオリビエ・パニスが参加し、主に改良型シャシー“TF105B”をテスト。13日(火)はリカルド・ゾンタ、14日(水)と15日(木)にはラルフ・シューマッハーがもう一台の“TF105”のステアリングを握り、鈴鹿サーキットで行われる第18戦日本GPへ向けてデータを収集した。
ラルフ・シューマッハー : TF105/08(14日、15日)、TF105/10B(15日)
ベストラップ:1分18秒518 周回数:120周 走行距離:616.9km
今回のあなたのテストプログラムは?
「水曜日は主に日本GPへ向けたタイヤのテストを行った。また、ブレーキやステアリング、重量配分など細かな作業も行ったが、全て上手くいった。木曜日は、“TF105”と“TF105B”を連続でテストする予定だったが、降雨に見舞われ、完全に満足出来るだけのテストは行えなかった」
木曜日の降雨による影響はどの程度のものですか?
「我々は、“TF105”と“TF105B”の直接比較を望んでいたが、天候が悪化し、ウェットコンディションになってしまったため、相対的なパフォーマンスをはっきりさせることは叶わなかった。しかし、発展改良型の“TF105B”を走らせられたことは、来季へ向けた開発プログラムとしても意義があり、満足している」
リカルド・ゾンタ :TF105/08
ベストラップ:1分18秒138 周回数:82周 走行距離:421.6km
今回のテストでは何の作業を行ったのですか?
「私は初日の火曜日しか参加していないが、鈴鹿で行われる日本GPへ向けた準備として、タイヤテストに一日を費やした。シルバーストーン・サーキットは鈴鹿に似ており、日本GPへ向けて非常に重要なテストを行えた。シルバーストーンでの走行を楽しむと共に、有意義な作業が出来、良い一日となった」
全ては順調に行きましたか?
「午前中は赤旗が出されたことで、十分に望んでいた作業を行うことが出来ず、タイヤの比較テストは午後に持ち越すこととなった。また、燃料コネクタの不具合に見舞われ何度か走行中断を強いられたが、プログラムは順調に完了することが出来た」
オリビエ・パニス : TF105/10B
ベストラップ:1分19秒064 周回数:103周 走行距離:529.5km
今週は“TF105B”を走らせることに費やしたようですが、どうでしたか?
「“TF105B”を走らせてみて、本当に満足出来るテストとなった。いくつかの技術的な問題に見舞われた前回のモンツァテストと比較すれば、格段の進歩だ。今回のテストは順調に進み、正しい方向性で、大きな前進となった」
改良型の“TF105B”はどうですか?
「全てに置いて本当に良くなっていると感じられる。低速及び高速コーナーのどちらでも安定しており、従来型の“TF105”よりも全体的にフロントのグリップに優れ、アンダーステア傾向が小さいようだ。残念ながら最終日の午前中は悪天候に見舞われたため、十分な作業を行うことは出来ず、ウェットコンディションでのラウンチコントロールの作業を行うにとどまった。しかし、今回のテストは、来シーズンへ向けて役立つものになると確信している」