現在のフェラーリとの契約が切れた後、ミハエル・シューマッハーがマクラーレンへの移籍を画策しているという憶測が流れてから何日も経っていないが、今度はフェラーリが2007年シーズンに向けてキミ・ライコネンの獲得を目指しているとの説が取り沙汰されている。
ドイツのビルド紙(ちなみにシューマッハーのマクラーレン移籍説を最初に報じたのも同紙だ)は、‘確実な情報筋’の発言を引用する形で、ライコネンが来シーズン末の時点でフェラーリに移籍するという仮契約にサインしたと報じた。しかしながら、この報道はすべての当事者によってただちに否定された。
「今シーズン、そうしたウワサについて質問されるたびに何度も繰り返してきたが、僕はこのチームに完全に満足している」と、ライコネンは声明文の中で述べている。「僕たちがレースに勝てる最速のパッケージを手にしていることに疑いの余地はないと思うし、僕は今もなお世界選手権の獲得に向けてチャレンジしている。このチームは本当に素晴らしいし、僕はチームの全員といい関係を築いている。それなのに、いったいなぜ僕が移籍を考えようとするだろうか?F1ドライバーなら誰もがうらやましがるようなポジションにいるというのに」
マクラーレンのチームボス、ロン・デニスは、ライコネンがフェラーリへ移籍する可能性だけでなく、シューマッハーを含む誰かがマクラーレンに加わる可能性についても否定している。
「私たちのチームは2005年のF1ドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権の熾烈な戦いに全力で取り組んでおり、ドライバーを含めたチーム組織内の全員が、今のところその目的に100%集中しているし、しばらくの間はそうした状態が続くだろう」と、デニスはロイター通信社に対して語った。「チームとドライバーの忠誠心は、私たちのチーム環境の中ではいつでも当たり前のことであり、それは9年間にわたってチームに在籍したミカ・ハッキネンとデイビッド・クルサードによっても明確に示されている」
「私たちは、このチームで4年目のシーズンを迎えるキミとファン‐パブロという2人のドライバーとの関係が長期的なものになると予想している。したがって、チームはミハエル・シューマッハーを含む他のどんなドライバーとも、チーム・マクラーレン・メルセデスのレースシートについての話し合いを持っていない」
また、フェラーリのスポークスマンも、2007年のドライバーラインナップについて話をするのは時期尚早であると述べ、このウワサを否定した。ミハエル・シューマッハーの現在の契約は来季いっぱいで終了し、来年からチームに加わるフェリペ・マッサも1年契約のため、現状ではまだ誰もフェラーリと2007年のレースシートについての契約を交わしていないことになる。