インディアナポリス・モータースピードウェイの社長兼COOであるジョー・チットウッドは、ミシュラン提携チームの行動に対し、また日曜のアメリカGPで全10チームが走れるよう妥協案を見出せなかったFIAに対し、アメリカにおけるF1のイメージを取り返しがつかないくらいに損ないかねないと公言する。
不評だった一連のストリートイベントの後、アメリカでのF1開催の足掛かりの回復に苦労しながら、インディアナポリスはアメリカのレースファンのF1への信頼性を復活させようと長い時間を費やしてきた。その上でチットウッドは、同サーキット側としてこの日曜の出来事に怒りを表すだけでなく、F1が再び人気を得られると信じていると明言する。
同サーキットがこれからしばらくファンや地元メディアから相当に槍玉に挙げられることは間違いなく、とはいえ事実上はミシュラン問題の被害者であるといえる。
「こんな災難が今日起こることになるとは、このトラックが見舞われた事態に我々も他の誰もと同じように驚いている」とチットウッド。
「このインディアナポリス・モータースピードウェイでレースを開くようになって以来、こんなに失望したことはない」
IMSはバーニー・エクレストンとFOMに何らかの補償を求めるべきだという声もすでにあがっている。観客のチケット代返還要求も不可避であり、また来年のチケット販売にも大きな影響が予想される。最悪の場合、来年のインディアナポリスでのF1開催がなくなることも考えられる。
「我々の状況といまの位置づけを詳細に検討する」と続けるチットウッド。
「おそらく近日中に適切な対応をとる。落ち着いて考え、よりよい対応をとるために考えるべきことは山ほどある」
「今日起こったことは予想もしていなかったようなことだ。我々は多くの時間をかけてこのワールドクラスのレースイベントの準備をした。今日の出来事を制御しきれなかったことは、残念という言葉では足りないほどだ。このインディアナポリス・モータースピードウェイにいる誰もが世界クラスのイベントを作り上げることに誇りを持っている。今日の出来事を避けられなかったという事実に、我々は大いに失望している」
「ここアメリカでのF1開催を我々はこの5年間成功させてきた。その5年間に積み上げてきたすべてのものが台無しにならないことを願うばかりだ。アメリカでのF1人気の向上にインディアナポリスは多大な貢献をしてきたと私は思っている。どう広めていくかとても積極的に動いてきた我々の実績を見てもらえば、他のグランプリとは違うことが分かるはずだ。F1を広めるために我々はベストを尽くしてきたと言っていい。間違いなく今回のことはそうした我々の努力のすべてと、せっかく広めたアメリカでのF1の認知度を台無しにする出来事だった。大きな痛手だといえる」
チットウッドはまた非難の矛先をどこに向けるのかと聞かれるとこう答えた。
「こう言っておこう。今日ファンが目にした出来事で我々はファンと同じくらいに痛手を被ったと感じている。このイベントが正しく実現されるかどうかは、我々のコントロールが及ぶことではなかった。その力を持っていたのはFIA、F1でありミシュランだ」
チットウッドの上司であるトニー・ジョージは声明を出し、ファンはFIA、FOM、ミシュランにコンタクトをとるよう、それぞれの連絡先を書き添えて提言している。