ルノーのエグゼクティブディレクター・オブ・エンジニアリングであるパット・シモンズは、今週末のヨーロッパGPより導入される予選方式の変更に関して‘賢明な妥協案’と評価した。
新予選方式の導入により、日曜日の朝のセッションはなくなり、従ってグリッド位置を決定するため2回のタイムを合計するというシステムは廃止される。グリッド位置は土曜日の午後に行われる1時間のセッション1回のみの結果で決められ、その予選時の搭載燃料のままレース本番を迎えることとなる。また予選の走行順は、前戦のゴール順位の逆となり、前回レースのウイナーは予選の最後に走ることとなる。
「セッションが1回のみとなることは、今シーズンの残りに適用する方式としては賢明な妥協案であり適当であると思う」とシモンズは語った。
「これまでの2回のタイムを合計するという方式では、見る側に混乱をきたしていた。また、土曜日のうちに予選結果が分かるので、日曜日の朝刊やテレビのニュースで伝えるうえでもメディアにとって好都合だろう。それによってファンは、日曜の午後のレース展開を予想する楽しみを得ることができる」
「レース戦略の点から言えば、今回の変更によって戦い方を大幅に変えるものとはならない。というのも、事実上昨年の予選方式に戻ったからといって、2004年とまったく同様の戦略を使用することにはならないからだ。ひとつのレースを無交換で走りきるタイヤの挙動変化が、今シーズンの我々の戦略の最も大きなファクターになってきた。だから、開幕からのレースの中で我々がお見せしてきたことと大きく変わることはないと思っている」
フェルナンド・アロンソは、変更によって改良された面もあるが、マイナス面もあると語っている。
「新方式にはいい点と悪い点があると思う」とアロンソ。
「まず土曜日に予選結果がはっきりすることは明らかに改善された点だね。その一方で、予選での走行順は前回のレース結果で決まることになるから、前回のレース結果が悪いと次の予選では最初の方で走るという罰を受けることになる」
「とはいえ、要するに必要とされるのは常に安定したレースパフォーマンスであり、それはいずれにしても僕らが目標としていることだ。ただ重要なことは、今回のシステムは誰にとってもイコールだということ。方式が公平である限り僕はハッピーだよ」