F1で長いキャリアを積むことの利点のひとつは、何事も当たり前には運ばないと知ることだ、とデイビッド・クルサードもこの11年間で学んだようだ。
メルボルンでのシーズン初戦で強力な走りを披露し、一見したところでは今週末も再び活躍を期待したいところだが、しかしクルサードは‘ルーキーチーム’のレッドブルがここでさらに得点できるかどうかの予想には慎重だ。
「僕らのチームとしては最高のレースだったと言われるし、メルボルンのリザルトは大いに士気を高めるものにはなったが、さらに厳しい仕事になる次のレースでは、僕らはまた一から始めなければならない」と、この日曜に開かれるマレーシアGPについて語るクルサード。
「過去にはここで2位や3位になったことがある。そこまでいくのは大変だろうけど、とにかく何ポイントでも持ち帰れるようベストを尽くしたい」
オーストラリアから導入された新予選システムは、土曜の天候のせいで全くうまく運ばなかった。クルサードは、その影響で幸運にもグリッド5番手からスタートできたのだと承知している。また、このスタートポジションのおかげで比較的バトルの少ないレースで4位を確保したわけだが、今週末も同じようにいくとは踏んでいないという。
「ファンは欺かれている」と、週末の英ニュース・オブ・ザ・ワールド紙で語る彼。
「最速の車で最速のドライバーが首位に立つところを見ていない。このスポーツはテクノロジーがすべてであり、ドライバーはその中で可能な限り速く走ることに努めるだけだ。1時間の中で、みんなが15分ごとに1ラップずつしなければならない」
「ハンディキャップ制のスポーツにするわけにはいかない。勝ちすぎるという理由でチェルシーからふたりの選手を外すようなものだ。フェアじゃない。ベストドライバーに対して自分がどれほどなのかを試したいが、現行のルールではそれはいつも叶うわけではない。くじ引きみたいなものだ。ナンセンスだ!」