チーム側がルール変更案をまとめるための期限とされていた9月6日が過ぎたことで、FIAはルール変更を実施するために次の段階に進み、F1の技術作業部会に対して来季に関する3つの選択肢を提示した。
話し合いを繰り返したにもかかわらず、10チームの代表と技術責任者たちは、来季からの新ルール案をまとめることができずにいる。そのためFIAとしては、コンコルド協定の7条5項に基づいて、イニシアチブを取り、新レギュレーションを独自に誘導していかざるを得なくなった。
FIAは、3つの選択肢のうちどれに従うか、各チームが決断を下せることを望んでいる。提案された3パッケージにはすべて、ダウンフォースを減らすことを意図したボディワークおよび空力のレギュレーション変更が盛り込まれており、そのうちのひとつには2006年の2.4リットルV8エンジンへの変更が提案されている。
FIAは、3パッケージを組み合わせた案が、技術作業部会とF1委員会の支持を得られるなら、それを世界モータースポーツ協議会に提出することも歓迎するとしている。
FIAの技術顧問であるチャーリー・ホワイティングから各チームに宛てられた覚え書きでは、さらに2つの変更案を検討することを求めている。その案とは、「アクシデントが起きた際に、コース上に鋭利な破片を残すことになりそうな材質を使用しないこと」および「マシンがコントロールを失った際のエネルギー量を減少させるため、(ほとんどのマシンで)バラストが除去される程度に、重量制限を引き下げること」の2つだ。覚え書きによると、必要ならば、これらに加えてリヤタイヤに対するフロントタイヤの幅の変更も考えられるという。
技術作業部会は、来週月曜(イタリアGPの翌日)に会合を持ち、最新の進展について話し合うことになっている。一方、テクニカルディレクターたちは、来季に先立って新レギュレーションに合致するマシンをデザインし、製造し、テストする時間が足りないのではないかと心配している。