8日(日)、BARチーム代表のデイビッド・リチャーズがジェンソン・バトンとそのマネージメントチームに提示したデッドラインを翌日に控えて、リチャーズとバトンは直接会見した。しかし、バトンと現在の雇用者の間には、まだ解決すべき問題が山積している。
「この件に関しては、絶対に譲歩するつもりはない」というリチャーズの言葉が、月曜の英ガーディアン紙に報じられた。「絶対にだ。あいつは、ウチのチームとの契約がある。ここでは、誠実さの問題について話しているんだ。ただ責任を投げ出すというわけにはいかない。私はまた、ほかの何人かのチーム代表から、私の立場を支持するという手紙も受け取っている。彼らも、この類のふるまいはあってはならない、と言っていた」
バトンが、その会見を「建設的だった」と語ったにもかかわらず、リチャーズはバトンのふるまいについて、強硬な態度を崩していない。「今日(日曜日)は、ジェンソンと分別ある話し合いをするチャンスだった。彼が後からではなく、前もってやってきて自分で説明してくれたらありがたかったのに、と言いたかったよ」
リチャーズは、イギリス時間の木曜夜遅くに、バトンが2005年にマーク・ウエーバーと共にウイリアムズでドライブするという声明が出されたとき、ほかの皆と同様に驚いた。
バトンはウイリアムズの発表があって以来、インタビューでは控えめにしか語っておらず、移籍について尋ねられても、説得力のある答え方をしてはいない。ドライバーが、移籍の手段と状況についてあまり語ることがないとすれば、それは彼のマネージメントが画策したことなのだろうか?
「状況を考えれば、話し合いは建設的なものだったよ」と、バトンはリチャーズとの会見について語った。「デイビッド(・リチャーズ)は、僕の2005年のウイリアムズへの移籍に関して、今はもう何の疑いも持っていない。僕の契約上の立場によって、これは可能になっている。僕はまた、お金で動いたわけではないこともはっきりさせたよ。僕のモチベーションとなるのは、ただひたすらワールドチャンピオンを獲得することだけだからね」
バトンはそれから、F1関係者すべてを驚かせた移籍について、その性質を認めたり説明したりしないまま、正当化しようとした。「今のドライバーは、パドックでチームをいろいろ変えるものだよ――それは、このスポーツでは受け入れられた、基本的な要素なんだ。僕がBARのためになした貢献を考えれば、ウイリアムズへの復帰が、もっと穏やかに受け入れられてもよかったのにと思っている」