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ワトキンス博士がラルフの早期復帰に警告

2004年7月22日

 F1界専属の神経外科医シド・ワトキンス博士は、再びアクシデントを起こした場合にはより深刻な負傷につながる可能性があるとして、ラルフ・シューマッハーの早期復帰と警告を発した。
 ラルフ・シューマッハーはアメリカGPで激しいクラッシュを喫し、以降のフランスとイギリスの2戦を欠場、今週末の自身のホームイベントも不参加の予定だ。ドイツの担当医師らがインディアナポリスで負った背骨2カ所の骨折の回復には12週間かかるだろうと見ているのに対して、ラルフ側は早ければ来月のハンガリーかベルギーでコクピットに戻りたいと主張している。
 しかしワトキンス博士はこれに対し異議を唱える。特にラルフが昨年のイタリアGP前に同様の大事故に見舞われ復帰に苦労した経緯があったからだ。そのときは同GP前の合同テストで負った脳しんとうの後遺症が、金曜のフリー走行中に現れ、結局マルク・ジェネと交替する羽目になったのだ。
「ラルフはまず完治を確認し、クラッシュの間接的な影響に苦しめられる可能性を排除する必要がある」と、英デイリーテレグラフ紙に語る博士。「彼は昨年中に同様の激しい衝撃を2度経験しており、完全に良くなる前に復帰すると、ボクサーにときおり見られるのと同じ結果を招く可能性がある。つまり、セカンダリーインパクトシンドロームの恐れがあり、震動によって脳が腫れたり、最悪の場合には死に至る可能性もあるということだ」
 今週末のホッケンハイムではラルフの代役に、ジェネに替わってアントニオ・ピッツォニアが出場する。ジェネは代打に指名されたマニ−クールとシルバーストンの両レースでポイントを獲得できなかった。




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