マクラーレン・メルセデスのテクニカルディレクター、エイドリアン・ニューエイが来年にはF1の世界を去ることになるかもしれない。
BBCスポーツオンラインの報道によると、1997年にマクラーレンの一員となったニューエイは自身の将来について考え始めており、来年の春には身の振り方を決めることになるという。
「マクラーレンとの契約は来年の7月31日までだ。したがって、それまではテクニカルディレクターを務めることになる。その後については、まだ何とも言えない」と、彼はBBCに対して語った。「正直なところ、本当にまだ何も決めていないんだ」
「現時点では、来年の車を作る仕事に没頭しているし、その仕事をやり遂げるつもりだ。その後、来年の春のどこかの時点で、これから先の自分の人生について考えようと思っている」
ニューエイの最新作MP4−19Bは、フランスGPでのデビュー以来好調なパフォーマンスを見せており、先週末のイギリスGPでもキミ・ライコネンが表彰台に上がった。
しかし、Bスペックになる前のMP4−19は、今季前半戦でまったくいいところがなかったのも事実で、ニューエイがプレッシャーの大きいF1の世界をいったん離れて、休息を取りたいと考える可能性は十分にある。
ニューエイの手掛けたマシンは、1991年から99年までの間、のべ12回にわたってドライバーズ選手権とコンストラクターズ選手権を獲得してきた。だが、その当時と比べると、最近の彼はやや精彩を欠いている感もある。
昨年マクラーレンは2002年のマシンの改良型MP4−17Dでシーズンを戦い、新車として用意したMP4−18はあまりにも信頼性が低かったため、ついに実戦に投入されないままお蔵入りしたという経緯もあった。また、今季もシルバーストンでの復活劇を見るまでは、決して好調とは言いがたかった。
今後2、3カ月の間のMP4−19Bのパフォーマンス、そして2005年のMP4−20の競争力の高さ(または低さ)が、来春のニューエイの決断を大きく左右することは間違いないだろう。