ブリヂストン・モータースポーツと4つのパートナーチームは、カナダGPを終えて慌ただしく荷造りし、F1世界選手権第9戦に向けて、アメリカ合衆国のインディアナポリスに入った。
ブリヂストンは、1,400本のポテンザF1タイヤを、東京の製造工場からアメリカに空輸した。
これには、ドライ用スペックが4種類とウエット用が1種類、エクストリーム・ウエザー用が1種類含まれている。ブリヂストンのエンジニアたちは、アメリカGPの行われるユニークなサーキットに合うタイヤを慎重に選択した。このコースは、インディ500の行われる有名なオーバルと、ツイスティなインフィールド部分とが組み合わさっている。
「インディアナポリス・サーキットは、2つの主要なセクションから成っている。ひとつは非常に高速なオーバルセクション、もうひとつはタイトコーナーが連続するインフィールドコースだ」と、菅沼寿夫テクニカル・マネージャーは語った。
「比較的スムーズな路面ということもあるし、このコースの性格を考えて、私たちは中位からソフトにかけてのタイヤコンパウンドを選んだ。それによってブリヂストンは、各チームにインフィールドで十分なグリップを与えられるし、一方、熱の発生が増えると予想されるハイスピード区間でも、最適なパフォーマンスを発揮させることができるだろう」
「だから、このレースに向けての一番のチャレンジは、耐熱性の高いソフトタイヤを供給することだったのだ――私たちはそれをやり遂げたと思っているが。今週末は、天候も重要な検討課題だった。今回のレースは、例年よりおよそ3カ月も早く開催されるから、路面温度も高くなることが予想される。さらに、私たちの短期予報では、今週末は様々な天候コンディションが予想されており、今年はじめてウエット用タイヤが本格的に使われるかもしれないのだ」
「最後に、今年はチームごとにいろいろと異なった作戦が採用されてきているので、何が起こるのか見るのは興味深いが、大体において、大部分のチームは3回ストップを採用するだろうと思う。しかし、これまで見てきたとおり、2回ストップでも3回ストップでも、ブリヂストンのチームは優勝あるいはポイントを獲ることができるだろう」