BMWウイリアムズF1チームは、北米2連戦の2戦目となるアメリカGPに臨むべくモントリオールからインディアナポリスに直行する。
F1カレンダー中でも高速戦の部類に入る、かの有名なブリックヤード・サーキットにて、シーズンの折り返し地点となる第9ラウンドが開催される。先週のカナダGPは残念ながら失格裁定が下ったウイリアムズだが、レースではラルフ・シューマッハーもファン−パブロ・モントーヤも競争力ある走りでFW26の性能の改善ぶりを披露した。
ラルフ・シューマッハーはこのサーキットを‘鬼門’と感じながらも、好結果を願う。
「カナダの後は、インディアナポリスでまた木曜にイベントが動き出すまで、2〜3日アメリカでゆっくり過ごす」と彼。「インディアナポリスにはなんとなく僕は嫌われてるんじゃないかという感じがある。過去2戦が苛立たしい内容だったんだ。2002年はチームメイトとの事故、2003年は2位を走りながら雨の中でスピンしてしまった」
「過去の成績はいまいちだが、インディアナポリスといえばアメリカのモータースポーツのメッカだし、特別な地であることは間違いない。好きなサーキットだよ。リズムがよく、長いストレートでオーバーテイクのチャンスもある。オーバル・セクションに入るコーナーの入り口もアタックには絶好のポイントだ」
「技術的には本当にチャレンジングなサーキット。パワーが重要、特に長いストレートではね。その一方でインフィールド・セクションではたくさんのダウンフォースも必要だ。トラックの多様な特性に対処する最高の妥協点を見つけなければならず、完全なセットアップを出すことはほとんど難しい。でも準備はばっちりだと思うので、僕のかつての戦績よりいいリザルトをぜひ出したい」
一方のモントーヤは、CARTの経験から心強い部分がたくさんあり、自身もここを‘ホームGP’と表するほどだ。
「アメリカに戻ってレースをするのはいつだって最高にいい気分だし、特にブリックヤードは特別。グランドスタンドの観衆を見ると、CART時代や2000年のインディ500で優勝したときのことをを思い出して、すごく高揚するんだ」とモントーヤ。「ここでは他にほろ苦い思い出もある。去年のアメリカGPではドライバーズ選手権を勝ち取る機会をすべて失った。レースなのだからいろいろあるが、こうした失望も心のばねにしたい」
「インディアナポリスはまた高速サーキットで、多分モントリオールより少し速いくらいだが、インフィールド・セクションはとても低速なので、双方に合ったセットアップを出せるかが問題になる。今までのところ僕らはいろいろあってあまりいいシーズンを送れていないが、このスピードウェイが流れのターニングポイントになってくれればと本当に願っている」
「インディにいる間は仲のいい友人たちも来てくれるし、サーキットにはきっとコロンビアの旗を振ってくれる人もいる。僕にとってはここがホームレースだと思っているんだ。アメリカにしばらく住んでいたこともあるし、休日が取れるたびに家族が住むマイアミに行って楽しい時間を過ごしているからね」