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【2024年F1技術分析】レーシング・ブルズ『VCARB 01』:レッドブルとの緊密な協力関係が見えるエリアとその狙い

2024年2月20日

 スクーデリア・アルファタウリからレーシング・ブルズ/RBへと名称を変更し、新たなスタートを切ったチームが、2月21日からのF1プレシーズンテストで、いよいよ体制変更後初のマシン『VCARB 01』の本格走行をスタートする。発表会で披露された画像を、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、その特徴を分析する。


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 かつてのトロロッソ時代のカラーリングを想起させるレーシング・ブルズ2024年モデルからは、姉妹チームのレッドブル・レーシングとの緊密な協力関係が外見からもはっきり見て取れる。

レーシング・ブルズVCARB 01とアルファタウリAT04の比較


 まずはサスペンションの形式だ。昨年のシンガポールで、すでにこっそりとレッドブルRB19のリヤサスペンションが導入されていたが、それが今回の新車ではフロントサスペンションにも拡張された。その結果、『VCARB 01』は、レッドブルと同様に、フロントにプルロッドサスペンションを採用したマシンとなった。


 サスアームがモノコック底部からホイールの上部に向かって伸びるプルロッド形式(正面から見ると「逆ハの字」になる)では、ロッカー、ショックアブソーバー、トーションバーもモノコック底部に取り付けられる。さらにこの構成では、サスアームが形作る三角形の角度も大きくなる(上の比較写真参照)。

レーシング・ブルズVCARB 01/レーシング・ブルズ発表会


 この形式の利点としては、重心が低くなることによる運動性能の向上、そしてアームを薄くすることによる空力性能の改善が挙げられる。さらにこのジオメトリーでは、サスのバネレートをより上げることができる。


 その結果、低速コーナーで車高が上がる場合、より柔らかいトーションバーとショックアブソーバーが使え、車高が下がる高速コーナーやブレーキング時には十分な剛性が得られるため、ドライバーは自信を持って攻めることができる 。


 さらに去年のアルファタウリAT04と比較すると、アッパーアームの三角形の角度が大幅に大きくなっている。これによって、アンチダイブ(ブレーキング時の沈み込みを防ぐ効果)がいっそう効力を発揮することになりそうだ。エイドリアン・ニューウェイ考案のこのアンチダイブは、レッドブルの速さの秘密のひとつであった。

レーシング・ブルズVCARB 01とアルファタウリAT04の比較


 ノーズ形状は一見すると、フェラーリF1-75を思い起こさせる。一方で全体的なシルエットは、特にサイドポッドのこぶなどが、昨年のAT04から引き継がれたものなのがわかる。ただしサイドポッドの形状はほぼレッドブルRB19のカーボンコピーと言っていいほど類似しており、エアインテークも下部が前方に突き出した形状となっている(上の比較写真、赤と黄色矢印参照)。とはいえこれは今季のライバルチームぼ新車のほとんどにも言えることだ。


 側面の比較写真で明らかなように、アンダーカット(サイドポット下のカット) はより顕著になっている。いうまでもなく気流の入口をできるだけ高くし、できるだけ多くの気流を確保することが目的だ。

レーシング・ブルズVCARB 01


 すでに去年型のAT04は、英国ベッドフォードのレッドブルの風洞から生まれたものと言ってよかった。そしてレーシング・ブルズの空力エンジニアたちは、まもなくミルトン・キーンズのレッドブルファクトリー近くに拠点を移して開発作業を行うことになる。新たに建設された建物に、デザインオフィスがそっくり移転するのだ。


 ただしレーシングチーム自体は依然としてファエンツァに置かれ、パーツ製造はここで行われる。このグループ分けは、マラネロのフェラーリビルの別棟にデザインオフィスを構え、フェラーリと同じ風洞とシミュレーターを使用するハースのやり方にかなり近い。


 ますますレッドブルとの結びつきを強めるレーシング・ブルズに対し、ライバルたちは警戒と疑問を強めている。そんな彼らをさらに刺激するかのように、チームはFIAやマクラーレンでテクニカルディレクターを務めたティム・ゴス、そしてアルピーヌのスポーティングディレクターだったアラン・パーメインを引き抜き、かなりの組織強化を図っている。


 このマシンを駆る ダニエル・リカルドと角田裕毅が、はたしてどれほどのパフォーマンスを発揮することになるのか。21日から始まるバーレーンテストに注目だ。



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)




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