ハンガリーGPから2週連続開催となったドイツGP。気になるのは、ハンガリーGPのレース終盤の60周目に、エキゾーストパイプから白煙を上がり、ジェンソン・バトンがピットインしてそのままリタイアしていたことである。レース直後、長谷川祐介総責任者は「エンジンオイルが漏れていたのは明らかです。ただそれは大量ではなく、エンジンがブローする前に、大事をとってリタイアを決断をしました」と語っていた。
その後の調査で、エンジンについているパーツの一部が割れて、そこからオイルがにじみ出ていたことが判明。幸いその部品を交換しただけで、エンジンそのものには問題なかったため、ドイツGPでもバトンはハンガリーGPのレースで使用したパワーユニットを使用している。
だが、そのバトンに金曜日のフリー走行2回目に思わぬトラブルが降りかかる。
フリー走行2回目でスーパーソフトを履いてのタイムアタックを終えたバトンは、その後、ソフトを履いて、ロングランを開始した。ところが、途中で突然「戻る、戻る」と言ってピットインしてきたという。チームも状況が飲み込めず、最初はピットストップに備えて、メカニックたちがピットレーンに出て準備していた。ところが、ピットインしてきたバトンは「マシンをガレージに戻してほしい」とメカニックたちに伝え、すぐさまコクピットを降りると、メディカルセンターへ向かった。
「メインストレートを走っているときに左目に何かが入ったんだ」というバトンは、その後、目に入った異物を洗浄するために、ホッケンハイムから約20km離れたマンハイム市内の病院へ行った。リザーブドライバーのストフェル・バンドーンへの交代も噂されたが、検査の結果、異物はブレーキのカーボンダストの細かな破片だったようで、症状も若干、目が傷ついただけで済み、土曜日以降の出走は問題なしという。
ちなみにこの日、35歳の誕生日を迎えたフェルナンド・アロンソは、滞りなくメニューを消化し、ハンガリーGPに続いて初日2台そろってトップ10で終えている。
小さな問題に煩わされたドイツGPのマクラーレン・ホンダ。2日目以降、視界が良好となることを祈りたい。
(Text : Masahiro Owari)