2014年を締めくくるシーズン最終戦、土曜の夜にちょっとした混乱が生じた。予選5番手(ダニエル・リカルド)と6番手(セバスチャン・ベッテル)で終えていたレッドブルの2台が予選後の車検で違反に問われたのである。違反となったのはフロントウイングのフラップで「空力的な負荷がかかった際に曲がるように設計されていた」ことが理由だった。そのためレッドブル2台は予選結果から除外されている。
これは処分を受けると自動的にピットレーンからのスタートとなることを意味する。レッドブルが違反に問われたフロントウイングを装着してレースに出場すれば、レース後に失格となるため、別のウイングを使用しなければならない。そうなるとレッドブル2台は予選後に異なる仕様の空力パーツを装着することとなり、それはパルクフェルメ状態を破ることとなる。つまり、レッドブルはピットレーンからスタートするしかない。
決勝当日の午後2時。果たして、レース審議委員会はレッドブルの2台はピットレーンからスタートすると発表した。ただし、ピットレーンで2列に並ぶことはできないため、ピットレーン出口に縦列駐車し、グリッド上の全車が1コーナーを通過したあと、グリーンランプ点灯と同時にスタートすることになる。
つまり、どちらが前で、どちらが後ろからスタートするかは決まっていない。現在パドックではふたつの説が飛んでいる。ひとつは予選Q3の順位はリカルドのほうが前だったため、リカルドが先にスタートするというもの。もうひとつは、レース審議委員会が予選除外、最後尾スタートを科した段階で出された暫定スターティンググリッドではカーナンバー順でベッテルが前だったことから、チームがベッテルに優先権を認めるのではないかというものだ。さらにベッテルは、これがレッドブルで最後のレースとなるため、チームもベッテルへ感謝の意を込めて優先権を与えるだろうと。しかし、現段階ではどちらが前からスタートするか明らかにされていない。