ウイリアムズのテクニカルディレクター、サム・マイケルが、2006年型マシンの競争力は証明されたので、今後はもっとアグレッシブにいくと語った。
開幕戦バーレーンでのペースを今後も維持できるなら、ウイリアムズは、予選で燃料を軽くし、ファーストスティントを短くとるという作戦で、今後優勝争いに絡んでいける可能性もあるだろう。開幕戦でマーク・ウエーバーは6位、ニコ・ロズベルグは、第1コーナーでアクシデントがあったにもかかわらず7位でフィニッシュしている。
マイケルは次のように語った。
「ルノーやフェラーリのようにアグレッシブにいくべきだ。でなければ、上位へは行けない。もちろん、ノーズを壊したりクラッシュすることは避けなければいけないけれどね。開幕戦は、レース全体のペースからすれば、私たちが最速だった」
「しかし、3、4ラップ終わった時点で、戦いは終わったと思った。3ラップ終わった時、12秒5の差がついており、その時点で終わりだった。10周終えたころには安定したけれど、もう遅かった。そのころにはもう既に勝負はついていたんだ。これまで、同じようなレース経験が何度もあるから、それは分かっている。いまはマレーシアにすべての気持ちを向けている」
また、マイケルはルーキーのロズベルグを称賛した。
「1コーナーではヒヤッとしたことだろう。でも彼はうまく対応してくれた。無線で、フロントウイングが壊れたのでピットに向かうと話してきた。取り乱している様子もなかったし、愚痴もこぼしていなかった。とても冷静に状況に対応していた」
「ピットストップの時、マシンの下に入れたフロントジャッキに問題が発生し、10秒タイムロスした。結局、45秒も失うことになって、ニコを落胆させてしまったが、でも、彼はそこから完璧なレースを展開してくれた」
「ニコのフィニッシュタイムとクラッシュ後のピットでのロスタイムを単純に計算すれば、数字の上では彼は3位に入れたはずだ。もっとも、ミハエル(シューマッハー)やフェルナンド(アロンソ)と互角に戦えたかどうかは分からない。10秒以上離されることはなかったと思うが、彼らに勝てたかどうかはなんとも言えない」
周囲のほとんどは、開幕戦ではコスワースがベストエンジンだったと見ている。
「正直言って、コスワースには頭が下がる。個人的には、コスワースがグリッド上で最高のエンジンだったと考えている。開幕戦(の予選)でいきなり20、000回転までいけたら、誰だって感服するはずだ。レース中のエンジンの温度をはじめ、あらゆることが完璧だった。コスワースは本当に素晴らしい仕事をしてくれた」
「開幕戦はルノーとフェラーリが一番強かった。グリッド後方から表彰台を獲得したキミ(ライコネン)も凄かったね。彼のパッケージは素晴らしい出来だった。でも、マレーシアでは彼らに同じことはさせないよ」