レッドブル・レーシングはクリスチャン・クリエンを第3ドライバーとして起用するため、現行の第3ドライバー規定の変更を願い出ているが、これが認められなかった場合は、グランプリの金曜日にスコット・スピードかニール・ジャニを走らせることになるかもしれない。
レッドブルチームは、ビタントニオ・リウッツィをサンマリノGPからレースドライバーに起用することを発表。これに伴い、これまでレースシートに座っていたクリスチャン・クリエンが金曜日に第3ドライバーとして働けるよう、規定の変更を願い出た。
現行の規定では、クリエンはチームの第3ドライバーを務めることができない。なぜならクリエンは、過去2シーズンでグランプリに6戦以上参戦しているからだ。このルールのせいで、ジャスティン・ウイルソンやオリビエ・パニスといった他のテストドライバーも、これまでF1の金曜日のセッションでの走行が認められてこなかった。
レッドブルは、来月のモナコGP以降もリウッツィとデイビッド・クルサードのラインナップで行くならば、クリエンを引き続き第3ドライバーとして走らせたいと望んでいる。しかしそれには他の9チームがルール変更に同意することが必要だ。
grandprix.comによれば、レッドブルチームはこの6レース規定の緩和を求めてFIAに嘆願を行っており、すでにFIAと、フェラーリ以外のチームの同意をとりつけているという。変更が認められるには、あとはフェラーリとバーニー・エクレストンの同意があればいい状況だ。レッドブルは、マニュファクチャラー連合に入っていないこともあって、延長された新コンコルド協定への署名を検討している2チームのひとつであると見られているため、この件は最近の他の問題よりもスムーズに認められるかもしれない。
もちろん、この方向でルール変更が認められれば、レッドブルは金曜のセッションのためにスピードやジャニのような“ジュニアチーム”のドライバーの起用を検討する必要はなくなる。彼らを起用することになればGP2シリーズへの参戦に関して問題が生じるかもしれないが、どちらも第3ドライバーを務める資格はありそうだ。
サポートシリーズのルールでは次のように定められている。
「GP2シリーズに参戦するドライバーは、同一のシーズンにFIA F1世界選手権に参戦することはできない。しかし、FIA F1世界選手権に参戦するチームのひとつでテストドライバーを務めることは認められる」
この“テスト”というのが、グランプリの金曜午前に3台目マシンを走らせることを含むのか否かという解釈をめぐって混乱が生じている。
GP2のオーガナイザーは、クラッシュネットに対して次のことを明らかにした。同シリーズに参戦するドライバーは今季F1に参戦することはできないが、金曜日であれレースとレースの間であれ、テストをするのは自由だという。スピードもジャニも、すでに最近、レッドブルでテストを行っている。