ジェンソン・バトンはBARホンダがニューシーズンを迎えるに際し、“昨年の成功を再現するのは至難の業”と発言しつつも、シーズンを戦う準備は最高の形で整っているという。
2004年シーズンのバトンは、10回の表彰台を決めてポイントを落としたのはわずか3レースと驚きの実力を立証し、優勢を誇るフェラーリ・チームに最も近付き、世界チャンピオンのミハエル・シューマッハーとその僚友であるルーベンス・バリチェロに追随する総合3位の座を射止めた。
チームの冬季テストは難しい滑り出しになったものの、バトンは2月初めのヘレス・テストでは最終日にトップタイムをマークし、また先週バレンシアで行われた今オフ最後の開幕前テストでもファステストタイムを出し、2005年の初優勝への厳しい戦いに明るい見通しを残した。
「シーズン開幕が間近に迫ったが、またメルボルンに向かえるのはすばらしいことだ」とバトン。「昨シーズンの成功を再現するのは至難の業だが、冬の間に進歩できたし、特に終盤のテストは車の真のポテンシャルにいい認識を与えてくれるものになった」
「新レギュレーションがレーストラックでどんな結果を出すことになるのか、また新予選制度がすべてのドライバーにとってより精神的なチャレンジになりそうなところも、ふたを開けるのがとても楽しみだ。僕に関してはかつてなく好調で、昨シーズンの間かなりのハードワークを続けたおかげで、最高な形で今シーズンへの準備ができている」
「メルボルンはシーズンを開始するにはすばらしい場所で、トラックも街も素晴らしい。去年はマレーシアから連続表彰台フィニッシュを始められたから、来週末の一番の目標は、スタートから可能な限り強力にいくことだ。戦いの中で自分たちがどの位置付けにいるのかは、最初のレースが終わるまでは本当には分からないからね」
佐藤琢磨は、冬季テストが難しい結果に終わったものの、BARホンダが2005年もやはりフェラーリへの一番のチャレンジャーになるだろうと語っている。
BARは開幕前テストで、エンジンブローや、さらに心配なリヤウイングトラブル(2月初旬のヘレス・テストで、これが原因で佐藤は高速クラッシュに見舞われた)など数々の問題に見舞われたのだが、チーム側はこれを“単発的な問題”としている。
こうした不安要素があるにもかかわらず、佐藤は今週末のメルボルンでの開幕戦への準備は整ったとし、2005年に導入される新レギュレーションの不確定要素の下で競い合うことを楽しみにしているという。
「こうしてまたここにいられること、新しいシーズンを迎えられたことがうれしい」と佐藤。「冬季テストもあっという間に終わり、間もなくメルボルンに行けるのはうれしいね。ファンは本当に熱狂的だし、雰囲気もシーズン開幕戦としては最高の場所だ」
「個人的には、僕自身3年目のF1シーズンにわくわくしているし、また同じチームでシーズンを継続する初めての年になり、とても特別な感じがある。最初のレースは新レギュレーションに慣れなければならず誰にとってもすごく大変になるだろうけど、それも僕らには、わくわくさせる要因さ!」
「僕らは今年も他チームに対する強力なチャレンジャーになれると思う」