ミシュランのボス、ピエール・デュパスキエは、そのパートナーチームが、今週末のハンガリーGPで強さを発揮するだろうと予想している。フェラーリとブリヂストンが、今季これまで、1戦を除く全戦で優勝しているにもかかわらずだ。
F1のシーズン半ばの小休止を終えて、ミシュランと6つのパートナーチームがコースに復帰するにあたり、デュパスキエはハンガロリンクは“興味深いチャレンジ”をたくさんもたらすだろうと語った。
彼はこうコメントしている。「去年のハンガリーGPは、ミシュランが見事な成功を収める形で終わったが、F1では何一つ確かなものは存在しないのだから、我々は今季さらに力を発揮できるように全力で働いてきたんだ」
「ブダペストのコースは、たくさんの興味深いチャレンジをもたらす。常設のコースではあるが、多くのグランプリサーキットと較べて、使用される頻度が少ない。そのことと、埃っぽい土地柄とによって、まず第一に、どうしても非常に滑りやすくなる。週末のスケジュールが進むに従って、かなり劇的に好転はするがね。しかし、いくらかラバーが乗っても、タイヤにはかなりの負荷がかかる。唯一のストレートが比較的短く、50度近い路面温度の中で、マシンが常にコーナリングしているからだ」
「だが、コンディションがどうあれ、ウチのエンジニアたちの努力によって、このヨーロッパ有数の厳しいコースで、ミシュランのパートナーチームはきっと強さを発揮すると思う」
ハンガリーGPは、東ヨーロッパ初のF1レースとして開催された1986年以来、カレンダーの常連となっている。今年は19回目の開催となるが、毎回、首都ブダペストから30分以内に位置するハンガロリンクで行われてきている。
このサーキットは、2003年に大きな改修を受けたが、その年、ミシュランは73回のグランプリ優勝のうちでも、特に素晴らしい圧勝を遂げた。フェルナンド・アロンソが終始トップを守り、ミシュラン勢以外のドライバーをすべて周回遅れにして、F1史上最年少での優勝を果たしたのだ。そして、4つのミシュランチームが、上位7位までを独占した。
ミシュランのF1プログラム・マネージャー、パスカル・バセロンは、次のように付け加えた。「ブダペストは、平均速度の点ではモナコと似ているが、似ているのはそれくらいだ。モンテカルロでは、我々のコンパウンドのうち、シーズン中で最もソフトなものを使えるが、ハンガリーGPは、タイヤに非常に厳しいイベントなのだ。かつては、バランスをとるのがものすごく難しかった。オーバーテイクはほとんど不可能だったから、ソフトで予選に有利なタイヤが必要だったが、それと同時に、レースのスティントでコンスタントなパフォーマンスを発揮することも要求されたのだ」
「しかし、その重点は2003年に変化した。サーキットが、追い越しの機会を増やすために改修されたのだ。その効果が、去年のイベントで見られた。おかげで、よりレースコンディションに合うタイヤ・コンパウンドを採用することができるようになったのだ」
「今週末、我々はパートナーチームに、中位のレンジから3種類のドライ用スペックを供給する。そのうち1種類は、これまでグランプリでは使用されたことのないものだ。これは、ブダペストを念頭において特別にデザインされており、先月のヘレス・テストでスペックが最終決定された」