パナソニック・トヨタ・レーシングチームは、今週末ハンガリーで好結果を期待できると予想している。ホッケンハイムでの“デビュー”は残念な結果に終わったものの、新しいTF104Bで迎える2戦目のグランプリになるからだ。
彼らは先日、このGPからクリスチアーノ・ダ・マッタに代えてテストドライバーのリカルド・ゾンタを起用する決定を下しており、チーム代表の冨田務もこの新しいドライバーラインナップがどんなパフォーマンスを見せてくれるかに注目している。この交替が正解だったかどうかは、時が経てばおのずと明らかになるだろう。
「今週末のハンガリーGPに向けての最も大きな変化はドライバーラインナップだ。これまで第3ドライバーとして何度も優れたパフォーマンスを示してきたリカルド・ゾンタが、オリビエ・パニスの僚友としてレースドライバーにステップアップする。過去のF1レースで得た経験とトヨタでこなしてきた膨大なテストをもってすれば、彼はこのチャレンジに対して十分な力を発揮できるはずだ」
「一方、ライアン・ブリスコーは今回初めて金曜のプラクティスで3台目のマシンをドライブし、グランプリでの仕事を実際に体験することになる。ライアンのテストでの安定した速さと優れた技術的フィードバックには定評があり、彼ならチームにとっていい仕事をしてくれると信じている」
当然のことながら、ゾンタは久々のレースシートを楽しみにしている。彼にとっては3年前に代役としてジョーダンをドライブして以来のグランプリであり、ここで自分の実力を人々に証明しておく必要がある。
「トヨタでレースをするチャンスを与えられてとてもハッピーだ。今シーズンは僕にとってはとてもポジティブなもので、サードドライバーとして自分がしてきた仕事にも満足している。グランプリ出場は2001年のホッケンハイム以来だけど、僕は根っからのレーサーだから、このチャンスをもらってものすごくモチベーションが高まっている。今週末のハンガリーGPは僕にとって初めてづくしだ。トヨタのレースドライバーとして初めてのレースだし、新しいTF104Bシャシーをドライブするのも初めてだし、コース改修後のハンガロリンクを走るのも初めてだからね。ホッケンハイムの前にヘレスでこのレースのためのタイヤテストをして、とても大きな成果があった。全体としては楽観的な心構えで臨んでいるよ」
一方、パニスも来年に向けて“生存競争”を戦わなければならない立場にある。2005年のレースシートのひとつには、ラルフ・シューマッハーが納まることがすでに決まっているからだ。
「ハンガロリンクは昔からオーバーテイクが最も難しいサーキットのひとつだった。ただ昨年のコース改修によって、その点は多少なりとも改善された。このコースはグランプリウイーク以外にはあまり使われていないために初日は特にダスティで、それがまたひとつ難しいところになっている」
「このサーキットにはいい思い出がある。過去に何度か好成績を収めているからね。パナソニック・トヨタ・レーシングはドイツGPで改良型のTF104Bを投入した。この車は正しい方向への進歩だったが、残念ながらその実力に見合ったレース結果は残せなかった。ハンガリーではこの新しい車にふさわしい成績を手に入れたいね」