FIAの会長、マックス・モズレーは、長年誰もがうすうす感じていた事実、つまり、FIAは他のF1チームよりもフェラーリを尊重しているという事実を、ついに認めた。
モズレーは、F1公式サイトのインタビューで、F1においてフェラーリは他のチームよりも重要なのかと問われ、こう答えている。
「そうだ」とモズレー。
「第一の理由として、(フェラーリ)チームは1950年以来F1に参戦しており、歴史的に重要なポジションを確立している。第二の理由は、その存在の環境によるものだ。イギリスのチームが1チームのみで、あとはイタリアのチームで、商業権の保持者、そしてFIA会長、レースディレクター、そのアシスタント、コミッショナーもイタリア人だったとしよう。そういう状況なら、その(イギリス)チームが用心深くなったとしても無理からぬことじゃないか?」
長年にわたり、フェラーリには他チームとは異なるフェラーリ用のルールがあるのだと多くの人間が考えてきた。つい先週も、デイモン・ヒルは、今年マクラーレンに科されたペナルティーに照らして、そういった考えをほのめかしている。しかしモズレーは、決定はすべて、完全に中立的な立場から下されたものであると主張している。
「私は、イギリスの“マフィア”あるいはカルテルが有利に立とうとしないよう、多大なる責任をもって中立性を発揮し、フェラーリと密にコンタクトを保っている。しかし、我々が、テクニカルあるいはスポーティングレギュレーションを適用すべきだと判断する場合には、フェラーリも他のチーム同様の扱いを受ける。フェラーリに違反があることが発覚したときには――オーストラリアGP後の可動フロア問題のように――、違反は取り除かれ、罰せられる」
このインタビューの中で、モズレーは、自分とフェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモロとの関係は、マクラーレン代表ロン・デニスとの関係とは異なる特別なものだと語っている。
「我々(ロンと私)は、時々電話で話す」とモズレー。
「ロンとの間に個人的な問題は一切ない。しかし立場の違いということはある。ディ・モンテゼモロとは、そうではない。彼はフィアットの会長であり、イタリアのビジネスロビー、コンフィンダストリアの会長でもある」
「ルカとは昔からの知り合いなので、ロンよりもよく知っている。ロンと知り合ったのは1970年で、80年代末には親しくなっていた。ルカのことは70年代初めからよく知っている。彼とは個人的にとても親しい」