トヨタは1月18日にポール・リカール・サーキットで開催されるFIAインスティテュート・セーフティサミットにて、FIAインスティテュートにトヨタTF105を提供するという。このサミットは、FIAがモータースポーツにおける安全性向上を狙って初めて開催するものだ。
提供されたマシンは、シングルシーターのレースで働く医療スタッフやマーシャルが行うシミュレーションにおいてリアリティーを高めるために利用される。行われるシミュレーションには、事故により横転したマシンを元に戻し、ドライバーを救出することなどが含まれる。
マシンにはダミーのステアリングホイールがつけられ、クラッシュテスト用のダミー人形がコクピットに入るよう、シートのサイズが変更されるほか、エンジンの代わりに、マシンの大きさや重さなどを正しく実感できるような鉄骨フレームが搭載される。また、2007年度仕様のトヨタのマシンに使用されるタカタのシートベルトも装着される予定だ。
「我々が行う安全性向上に向けてのトレーニングがうまくいくよう、トヨタがサポートしてくれることになり、大変嬉しく思っている」とFIAインスティテュートの会長代理、ジェラルド・サイラント教授は語る。
「F1マシンを寄付するというこの惜しみないサポートは、マーシャルのためのトレーニングをより良くするための助けとなるだろう」
「サミットで行われる会合の場においても、トヨタは我々に安全性向上の手引きをしてくれる予定で、それについても感謝をしたい。全てのゲストスピーカーの持つ知識と経験は、初開催されるセーフティサミットでの協議を質の高いものにしてくれるはずだ」
「ポール・リカール・サーキットでゲストに会えることを楽しみにしている。名誉あるセンター・オブ・エクセレンス・アワードの最初の受賞者にはふさわしい場所である」
TMG会長兼パナソニック・トヨタ・レーシングチーム代表の冨田務氏は、FIAの安全性向上に対する追求が今後も持続し、寄付されたマシンが少しでも役に立つことができればと語った。
「FIAインスティテュートにマシンを提供でき、また、F1の安全向上のために貢献することができて非常に嬉しい」と冨田氏。
「安全性は我々にとって非常に重要なことであるし、F1やモータースポーツを安全なものにするため、我々はFIAとFIAインスティテュートへのサポートを惜しまない。協会は、ドライバー、そしてモータースポーツにおいて、多大なる利益となるであろう重要なリサーチを行っている。我々は彼らの努力のため、できる限り貢献できればと思う」