スクーデリア・トロロッソのラインナップがなかなか決まらないなか、ビタントニオ・リウッツィは来シーズンについて、F1でのシート獲得が難しいかもしれないとあきらめ模様のようだ。
年末年始の休暇中に伊アウトスプリント誌の取材に応じたリウッツィは、同チームとの契約が来シーズンの継続を規定していることを明らかにしたが、だからといって必ずしもレースシートを得られるとは限らないことをほのめかした。チーム監督のゲルハルト・ベルガーは早くから、今季のリウッツィとスコット・スピードのペアを続行する予定だと示唆していたのだが、最近の状況からするとどうもそうはいかないようだ。
リウッツィは、「今の契約書には、来年のF1でのドライブが明記されているが、レッドブル同様、どうなるかは分からない」と語る。2005年にレッドブル・レーシングが1つのシートに2名をつかせる悪名高い方法を取り、リウッツィは期待していたほどレースに出られなかった記憶がよぎる。
「今シーズンは我ながらよくやったと思う。だが僕の未来は僕には決められない」
ヘレスでの2006年最後のテストには、チャンプカーのチャンピオンであるセバスチャン・ブルデーが参加してパドックの噂となった。このままブルデーが来季のレギュラーに採用されることはないとしても、トロロッソ・チームの1つないし2つのシートには、その他大勢を含む長い候補者リストがあるということだ。
チャンプカーで成功したブルデーだが結局F1には受け入れられずに終わり、ベルガーは彼をテストに参加させたことについて、単なる評価のためだったと語っている。ブルデーはまた、ニューマンハース・レーシングに拘束力のある契約があったため、スクーデリア・トロロッソに対しては、もし彼を走らせたいならチャンプカーでの契約を買い取らなければならないだろうと警告していたことを明らかにした。リウッツィはしかし、ヘレス・テストに現れたブルデーが自分より百分の数秒ばかり速いタイムを出しても、それでも動じなかったという。
「あのテストは誰がひいきされることもなく公正に進められたが、ブルデーは恐らくここに来たら誰にも負けないと思っていたんじゃないかな」とリウッツィ。
「でも実際には、一緒に走った二日間では僕の方が速かったし、トラクションコントロールのトラブルがなければもっと差を拡げられていたと思う」
なお、かつてレッドブル・レーシングでリザーブドライバーだったロバート・ドーンボスや、スパイカーの元レギュラーのティアゴ・モンテイロ、GP2で活躍したエルネスト・ビソらも、ブルデー同様にトロロッソのシート争奪に可能性を持つ。ドーンボスはすでにレッドブル・ファミリー内に位置づけを得ているし、モンテイロとビソは新たなスポンサーを獲得するものと見られ、ベルガーもチームにとっては資金力が重要な要因になることを認めている。