ジャンカルロ・フィジケラが、イタリアの若者たちに対して、違法公道レースに加わって命を危険にさらすような真似はしないように呼びかけた。
フィジケラの故郷ローマで16歳の少年が違法の公道レースに参加し、命を落としたというニュースが報じられると、フィジケラは、自分も若い頃は同様のレースに惹かれたが、参加することはなかったと述べるとともに、そういったレースがしたければ、代わりにカートに乗るように、と語った。
フィジケラは伊ガゼッタ・デロ・スポルト紙に次のような手記を寄せた。「わずか16歳で、愚かで狂ったゲームのために命を落とすなんて、あんまりだ。今回の事故は、長年(レーシングドライバーという)危険な仕事をしてきた僕にとって、大きな衝撃だった。だが、このようなレースは以前からずっと行われており、こういった悲劇が起こっても不思議ではなかった」
「僕が若かった頃、町の外れには密かに危険な競争を行える場所が色々あった。そうした場所を知っていたし、現場へ足を運んだこともあった。誘惑に負けないようにするのは大変だった。特に、車が好きな者にとってはね。でも、レース環境としてはひどいものだったし、スポーツ競技的な要素もなく、たいして面白くもない。僕がそういったレースに参加せずに済んだのは、気持ちを切り替えて、トラックでレースをしようと思ったからなんだ」
「いまなら、カートの方が魅力的だし安全なはずだ。スピードに魅せられた者は思う存分、その欲望を発散できるし、ハンドルさばきだって思う存分試すことができる。無駄な危険を犯そうとする若い人たちに対して、僕は言いたい。ハンドブレーキターンをしたり、ウォールの間際で急ブレーキをかけるのは、腕のあるドライバーがすることではない。単なるバカな真似にすぎない。その先には悲劇しか待っていない」