トヨタのドライバー、ラルフ・シューマッハーは、チームメイトのヤルノ・トゥルーリを2ポイント上まわり、2005年のドライバーズ選手権で6位となった。シーズンを終えたラルフが、トヨタでの1年目を振り返る。
Q:今シーズンを振り返ってみて、いい意味でのサプライズはありましたか?
ラルフ・シューマッハー(以下RS):本当にいい結果が出せたと言えるね。ただ最後の3レースでは、僕らが望んでいたほどのパフォーマンスを発揮できなかったのが残念だったけどね。それを除けばすごくいいシーズンだったよ。
Q:今シーズンのよかったところ、悪かったところは何ですか?
RS:本当にいいことばかりだったよ。ブタペストと上海では表彰台に上れて最高だったし、鈴鹿ではポールを獲得できたしね。ポールからスタートしたのに8位どまりというのはよくないじゃないかと思われるかもしれないけど、でも僕がどうにかできるということじゃなかったしね。その時は3回ストップというアグレッシブな戦略をとって、そのおかげでポールが取れたんだ。でもセーフティカーが入ったためにそのアドバンテージを生かせなかった。それとモナコでは予選でクラッシュしたけど、それだって決して悪いレースとはいえないよ。だって最後尾スタートにも関わらず6位フィニッシュできたんだからね!
Q:オリジナルのTF105よりもっとフロントエンドの反応がいいマシンを好むというのは本当ですか?
RS:イエス。僕の場合はいつもそうなんだ。アンダーステアの傾向を好むドライバーもいるけど、僕みたいにオーバーステアが好みのドライバーもいる。TF105Bのフロントサスペンション変更は、正しい方向への第一歩だと思っているけど、まだまだやることはたくさんあるよ。
Q:今年、トヨタに関してもっとも印象的だったことは何でしょう?
RS:チームそのものだね。僕はウイリアムズという経験豊富なチームから移ってきたわけだけど、課題が山積みだろうと予想していたが、こんなに素晴らしく組織がしっかりしているチームは知らないよ。彼らは皆モチベーションがすごく高くて、素晴らしいスピリットを持っている。このチームは大きすぎて、すぐにリアクションを起こせないだろうなんて思っている人もいるようだけど、組織は機能的に作られているんだ。やってやろうという情熱のようなものがあって、仕事するのが本当に楽しいと感じられる場所なんだ。
Q:厳しい見方をするとすれば、どういったところを改善すべきだと思いますか?
RS:違う戦略で臨んだら、もっといい結果が得られたかもしれないというレースはいくつかあったけど、でも逆にパーフェクトなレースがあったのも事実だ。僕らは絶えず進歩すべく学んでいる状態なんだ。でもそれは僕らだけでなく、どこのチームも同じだよ。僕らの空力のパフォーマンスは、思い描いていたほどではなかったけど、去年の時点で誰が僕らの活躍を予想できただろう。昨年からこの時点に至るまでのチームが成しえたステップは、本当に信じられないほどだと思うし、賞賛に値すると思うよ。
Q:2006年の具体的な目標は何ですか?
RS:いくつかのレースで優勝することだね。それが僕らの目標であるべきだし、実際にそうなることを願ってやまないよ!