ウイリアムズF1のテクニカルディレクター、サム・マイケルは、新たに契約を結んだニコ・ロズベルグは、F1デビューへの準備が十分整っていると語った。
マイケルが英ニューズ・オブ・ザ・ワールド紙に語ったところによると、ニコは今年のGP2シリーズのタイトルを獲得したことが有利に働くだろうとし、彼はジェンソン・バトンが2000年にチームからデビューした時よりも大きな旋風をF1界に巻き起こせるはずだという。
「私が思うに、F1は、ジェンソンがデビューした時とは、今は全く違ってきている」とマイケルは説明した。
「今はプレッシャーがはるかに大きくなっている。F1に自動車メーカーが関わるようになっているし、レースの週末ごとの走行距離が前よりずっと制限されているからだ」
「ニコは、ジェンソンよりもずっと準備ができた状態でF1にやってくることになる。彼が参戦していたシリーズのおかげでね。彼は、F1の行われるコースの多くで、すでに優勝を経験しているんだ」
「私が彼のことを次のミハエル・シューマッハーだと言ったなどと、報じられたくはない。彼はまだそういう段階には達していないし、これから学習の時期を乗り越える必要があるからね。しかし、彼がF1に上がる準備ができていないとすれば、ほかに準備のできている者を見つけるのはとても難しいはずだ。一種の賭けではあるし、リスクはあるが、彼は新しいドライバーとして採用する価値のあるドライバーだと思う」
マイケルはまた、年間およそ1700万英ポンドをもらうというウワサのバトンについて、彼にはそこまでの価値はない、と述べた。
「トップドライバーなら、1700万ポンドという額は要求されるだろう。そういったドライバーを雇うことができて、安定したマシン開発プログラムがあれば、確かにそれだけの金額をドライバーに支払うことを考慮できるはずだ」
「しかし、そういう一流のドライバーとしては、私たちは3つの選択肢しか考えていない。マクラーレンのキミ・ライコネン、ルノーのフェルナンド・アロンソ、フェラーリのミハエル・シューマッハーの3人だ。しかし彼らは、今後2、3年は手に入れることが不可能だと思われる。この3人を除外してしまうと――他のドライバーたちが、これから一流に成長しないと言っているわけではないが――むしろ、自分のところにいる者たちを育てるようにした方がいいだろうと思う」
交渉によってウイリアムズとの契約から逃れ、2006年にBARに留まることになったジェンソン・バトンは、まだF1では未勝利だ。