BMWはザウバーを買収し、新たにワークスチームとして来季からF1に参戦するが、この新チームの名称が明らかになった。同チームがFIAに登録した名称は「BMWザウバーF1」BMWは、チーム創設者に敬意を払い、その名を残すことにしたのだ。
BMWのモータースポーツディレクター、マリオ・タイセンは新名称についてこう説明している。「この名称は、チームの体制を考慮して決められた。チームを運営するのはBMWだが、中核となるのは300人あまりのザウバーの従業員だ。それに、2006年型マシンはザウバーの実績あるエンジニアたちが手がけていくわけだからね」
ザウバーのテクニカルディレクター、ウィリー・ランプは、ヒンウィルのチーム本拠で引き続き同じポストに就く。一方、ハインツ・パッシェンは、ミュンヘンにあるBMWの本社でテクニカルディレクターを務める。ミュンヘンの本社では、エンジンだけでなく、パワートレイン全体の製造が行われることになる。また、ウォルター・リードルは、プロジェクトマネージャーとして2つの本拠のコーディネートの指揮をとる。中国GP終了後、盛大な“引退”パーティーを開いてもらったペーター・ザウバーは、顧問役としてチームにとどまる。
「ザウバーの名前がF1に残ることになり、嬉しく思っている」とザウバー。「特に、ザウバーを熱心に応援する多くのファンは喜んでくれていると思う。彼らは、今後もきっとこれまでと同様の情熱でチームを支えてくれるだろう。また、新しいチーム名は、ヒンウィルの従業員たちに対するBMWの大きな敬意の表象でもある」
新しいチーム名が決まったザウバーは来年1月16日と17日、バレンシアで2006年型マシンの初テストとともに、新チームとしての第一歩を踏み出す。その前の11月28日には、バルセロナでニューエンジンBMW P86 V8を載せた暫定マシンを使い、テストを行う。
チームはドライバーとしてニック・ハイドフェルドの起用を発表しているが、セカンドドライバーについてはまだ未定である。ジャック・ビルヌーブは、2005年にザウバーと2年契約をしたため、まだ契約は残っていると主張し続けているが、ここ数週間、アントニオ・ピッツォニアやIRLチャンピオンのダン・ウェルドンの名前もうわさに上っている。