パナソニック・トヨタ・レーシングのラルフ・シューマッハーが、今季ここまでを振り返ると共に、V8エンジンについてなど、来年の展望も語った。
Q:今年はトヨタでのファーストシーズンですが、これまでのところをどう総括しますか?
ラルフ・シューマッハー(以下RS):1、2戦を除いて、ほとんど毎戦のようにポイントを獲得しているよね。トヨタにとって、全体的にみてかなり成功したシーズンと言えるだろう。みんなの予想を上回るパフォーマンスを発揮した。正直言って、僕ら自身の予想も上回っていたよ。想像以上に大きな前進を成し遂げたんだ。
Q:あなたにとって今年のハイライトというのはいつなのでしょうか?
RS:そうだね、特にこの1戦、というのはないね。僕は基本的に毎戦楽しんでいるんだ。難しいレースもあれば、楽な展開だったものもある。でも、特にひとつを選ぶことはできない。
Q:ハンガリーの3位はどうですか?
RS:あれは嬉しかったね。僕らにとっていいレースだった。大量の得点を稼げたからね。今は残り2戦でできるだけ多くのポイントを取ることを目指している。
Q:スペインでの4位も素晴らしかったですね。
RS:ああ、表彰台は逃したけどね。何戦かいいレースがあったのは確かだけど、どれか特別な1戦というのはないよ。
Q:インディアナポリスではプラクティス中にクラッシュを喫しましたが、あれが今年一番がっかりした出来事ということになるのでしょうか?
RS:そうじゃない。モナコの方が失望は大きかった。予選で、自分自身のミスでクラッシュしたんだからね。インディアナポリスのはタイヤのトラブルだから、がっかりはしていないよ。
Q:でも、モナコではいいレースをしましたよね。
RS:ああ、いいレースだったね。予選が通常どおりいっていたら、もっといい結果を挙げられたはずなんだが。それでもなんとか3ポイントを取ることができた。モナコで後方グリッドからのスタートだと、なかなかそんな結果は望めないものだよね。
Q:あのレースの最後に、ミハエル(シューマッハー)との間に何があったのですか?
RS:スタート/フィニッシュラインを越えた後で、僕に追い越しをかけようとしたんだ。あんなのは必要ない行為だが、そういうことが起こった。
Q:今シーズン、予選ではずっとヤルノ(トゥルーリ)が優勢ですが、原因はどこにあるのでしょうか?
RS:彼はものすごく予選が得意なんだ。これまでもずっとそうだったし、今もそうだ。レースでは僕の方が少しいいと思うんだが、現状はそういうことだ。このマシンで予選でいいパフォーマンスを発揮するのが、僕にとっては難しい時が何度かあった。でも、それを除けばかなり満足しているんだけどね。
Q:予選で問題なのは、何なのでしょうか?
RS:限界までプッシュできないんだ。まだそういう問題を抱えているんだよね。来年のニューマシンの方が、僕には向いているはずだ。
Q:つまり、マシンの中の、ある要素が、ヤルノのスタイルに適しており、あなたには適していなかったということですか?
RS:ヤルノは総合的にみて予選が得意なんだ。これまでもずっと、それが彼の強みだった。確かに、このマシンのデザインは、彼が以前ドライブしていたマシンの方に似ている。僕が6年間ドライブしてきたウイリアムズはちょっと違っているんだ。そういうことだよ。
Q:現在、トヨタチームは好調ですよね。
RS:チームとして、また経験を考えると、彼らの物事や仕事へのアプローチの仕方は、僕が前いたチームをすでに上回っているよ。問題はパッケージをまとめ上げるということだね。
Q:パッケージの弱点というのは何なのですか? 主に空力面なのでしょうか?
RS:僕は空力面が一番大きな問題だと思うね。とはいえ、ピットレーンを歩き回って聞けば、どこのチームの人間も同じことを言うはずだよ。僕らも同じなんだ。十分いいと満足できるなんてことはないんだよね。
Q:マイク・ガスコインについてはどうお考えですか?
RS:彼と一緒に働けてとても嬉しいよ。彼は自分が何をしたいかを分かっているし、周りの人々のモチベーションを高めるのがうまい。非常に素晴らしいテクニカルディレクターだよ。
Q:あなたが求めるものすべてをかなえてくれるチームにいるというのは、素晴らしいことですね。
RS:とはいえ、トップチームではそれが普通のことなんだと思う。フェラーリ、マクラーレン、ルノー、そして僕らの間に違いはないんじゃないかな。