FIAは、F1参戦コストの大幅削減を目指し、2008年のF1レギュレーションを見直すとの意向を明らかにした。
FIAによると、先月ミラノにて多数のチームと会合を行った結果、チーム側から前向きな返答があったものの、コストの問題を解決するには不十分であったということだ。そのため、FIAはF1チーム側の提案に変更を加えることになりそうだ。
もし参戦コストが削減されれば、2008年のエントリーに興味を示している人間は多数いるという。FIAは、マニュファクチャラーのサポートが永久に続くとは限らないため、F1がプライベーターチームをサポートする必要があるのだと主張している。
FIAの声明は以下のとおりだ。
「月曜、FIAは、8月31日にミラノでの会合に出席した多数のチームより回答を受け取った。前向きな調子ではあるが、新しいことは含まれていなかった。特に、コスト削減に関して、何ら提案はなかった」
「2008年の選手権にエントリーしたいと考えている新チームはすべて、コストが大幅に削減されさえすれば、エントリーは可能になると明言している。すでに2008年に参戦することになっている現存チームもこれに関して完全に同意している。従って、FIAは、不必要で過剰な出費を取り除き、同時にロードカーに関連し一般の人々にとって興味深いものであるテクノロジーは保持するべく、2008年のレギュレーションを見直すことにする」
「目標は、トップチームの予算を、現在の3億ユーロ強(約407億円)を1億ユーロ(約135億円)程度まで減らすことだ。2台体制で1シーズンを戦う予算が1億ユーロというのは、モータースポーツの他のカテゴリーと比べるとまだまだ非常に多額だ」
「FIA F1世界選手権は常にインディペンデントチームに頼ってきた。F1の規則は、彼らが生き残り、繁栄することを助けるようなものでなければならない。大手マニュファクチャラーが参戦したいと望むなら(少なくとも2008年には3チームが参戦することになっているが)、なおさらいいことだ。しかし、FIAの義務というのは明らかである。F1世界選手権にインディペンデントチームとマニュファクチャラーの両方が参加し、従来のように対等な条件で競える状況を継続させるということだ」
「もしマニュファクチャラーのいずれかが、無制限のコストでプライベートシリーズを運営したいというのなら、FIAは彼らを支援するだろう。こういったことは興味深い試みであるからだ。しかし、F1世界選手権にとってはリスクは大きい。コストは現状以上に上昇するだろうし、そうなれば、全チームがマニュファクチャラーのフルサポートを必要とすることになる。そういったサポートは永遠に続くとは限らない」
「FIAは2008年F1世界選手権の規則を近いうちに公表できると考えている。これは現実的な(しかし依然高額の)予算額、接近戦(オーバーテイクのチャンスを大幅に拡大)、そして興味深い関連テクノロジーを提供するものである。この結果、2008年のF1世界選手権は12チーム24台のエントリーを実現し、かつてないほどの関心を集めることになるだろう」
フェラーリ、ミッドランド/ジョーダン、レッドブルの3チームはすでに2008年以降もF1に参戦することを決めている。レッドブルがミナルディを買収したことで、近いうちにここにさらに1チーム加わることになるだろう。