30日、バーニー・エクレストンは、F1の持ち株会社、SLECの買収に関するアプローチはあったものの、同社が売却されることはないとの声明を発表した。SLECの買収に関しては、最近また新たな報道があったばかりだった。
エクレストンが発表した声明は以下のとおりだ。
「SLECの支配株主による売却に関して、これまで複数のアプローチが寄せられているとの報道が流れている。アプローチはあったが、それに対し、同社の株式は売却されないという返答が行われた。株主は長期的投資家であり、F1の利益と安定を第一に考えている」
この声明はFOMから発表され、エクレストン自身のサインが記されている。
JPモーガン、バイエリッシェ・ランデスバンク、リーマン・ブラザーズといった銀行が現在所有している株式の買収をめぐっては、これまでさまざまなウワサが流れてきたが、ここにきて、プライベート・エクイティ・ファンドであるクリアブルック・キャピタル・パートナーズや、ロビン・サンダーズにまつわる報道がなされた。
7月にはハッチンソンといった名前も挙がったが、この際、エクレストンは次のようにコメントしている。「ひとりの男が私に会いに来たが、株式の所有者、つまり各銀行に連絡を取るように言った」
SLEC(この名前はエクレストン夫人、スラビカ・エクレストン=Slavica Ecclestoneにちなんでつけられたものである)は25パーセントはエクレストン、75パーセントは3銀行が所有している。しかしながら、訴訟が数多く起こされており、この組織の置かれた状況が複雑化してきていることが明らかになっている。先週金曜にも高等裁判所に持ち込まれた訴訟があり、今回の声明は、F1の支配をめぐる権力闘争におけるゲームの一手に過ぎないというのが、本当のところではなかろうか。