BMWモータースポーツのディレクター、そしてまもなくBMWにとって初めてのワークスF1チームの代表となるマリオ・タイセンは、来季からすぐに現在のパートナーであるウイリアムズを上回る結果を残せるとは考えていないと述べた。
BMWとウイリアムズは、今シーズンいっぱいで袂を分かつことになっている。BMWがザウバー・チームを買収し、ウイリアムズもコスワースとエンジン供給契約を結んだからだ。しかし、タイセンはこうした状況の変化にもかかわらず、かつてのパートナーを簡単に出し抜けるとは思っていないという。
「私たちがこれから手に入れるチームは、そのリソースに限りがあったためにウイリアムズより上位につけたことは一度もない」と、タイセンはロイター通信社に対して語った。「それをほんの数週間で変えることはできないと思う」
「それを変えていくための段取りには時間が必要であり、もしスタッフを増強するとすれば、その作業は2006年いっぱいでは終わらないだろう。(BMWが計画しているように)ファクトリーを拡張するとすれば、それも2006年中には終わらない。つまり、私たちが来年からすぐにトップチームにチャレンジできるようにならないことは明らかだ。私に言わせれば、来年ウイリアムズが私たちより上位にいるのは、いわば当然のことだろうね」
だが、タイセンは、長期的な計画をしっかり進めていけば、BMWはいずれウイリアムズだけでなく、他のどんなチームよりも上位のグリッドを占めることになるはずだと述べた。
「私はチームが5年以内にチャンピオンになる可能性はあると考えているが、それを予言することはできない。まずはコンペティティブになる必要があり、それがすなわちレースをするということだ。勝つにせよ負けるにせよ、まずは競争に参加できるようになるのが重要だ」
「もちろん、彼らが私たちに勝とうとするのと同様に、私たちも彼らに勝つために努力するだろう。だが、私にとっては、ウイリアムズや他の特定のチームが私たちより上位にいるかどうかは、それほど大きな問題ではない」
「コスワースがコンペティティブなパッケージを提供できるかどうか、そして新しいエンジンを設計して開発するための先行投資をカバーできるのかどうか、興味を持って注目している。彼らはメーカーのバックアップを受けたり、メーカーの一部だったりしたことがあるし、あらゆる種類のF1エンジンについて豊富な経験を持っている。彼らが成功を収めるとすれば、それは個人的にはいいことだと思う。なぜなら、それは大きな自動車メーカーだけがコンペティティブなエンジンを作れるのではないという証明になるからね」