今季いっぱいでルーベンス・バリチェロがフェラーリを離脱することが明らかになった。以前からバリチェロはBARに移籍するものとみられており、現時点でBARからの正式発表はないものの、この噂は信憑性を帯びてきたといえる。そうなると、佐藤琢磨の去就が気になるところだ。
バリチェロのBAR入りは、多くの点で理にかなったものだ。ブラジル出身の彼はジル・ド・フェランと親交があり、さらに南米はBATにとって非常に重要なマーケットである。1999年に同じくブラジル人のリカルド・ゾンタが起用されたのも、こういった理由によるものとみられている。一方で、チームはジェンソン・バトンの残留を望んでいることを明言している。となると、佐藤はどうなるのか?
佐藤は当然ながらホンダのお気に入りのドライバーではあるが、ある情報筋によれば、佐藤にはすでに放出が言い渡されているという。もしチームがバトンを手放さなければならなくなれば、佐藤にも残留の可能性が出てくるわけだが、その場合でも、アンソニー・デイビッドソンの方にチャンスがめぐってくる可能性もあるのだ。
ハンガリーGP後、BARチーム代表ニック・フライに、ダブル入賞を成し遂げたレースのこと、来季のラインナップのことなどについて話を聞いた。
Q:ハンガリーでは2台とも入賞しました。ジェンソンは7月だけで19ポイント上げたわけで、こういった流れは自信につながることでしょうね。
ニック・フライ(以下NF):正しい方向に向け、1ステップ進歩できたということだ。今日はそれ以上ともいえる結果だったね。だが、マシンのペース自体は大幅に向上したのだが、タイヤの選択を間違えた。ルノー同様ハードタイヤでいったんだ。他チームはみんなソフト寄りのタイヤを使用した。彼らの方が正解で、我々は失敗だったね。予選ではハードタイヤは不利になると分かっていたが、レースでは有利になると考えてこちらを選んだ。実際、レース終盤の調子はよかったから、もしあと20周レースが長ければ我々が勝てたかもしれない。でも、あいにく我々のタイヤにとってはレースは短すぎたよ。
Q:タイヤチョイスによってどの程度のロスが生じたのでしょう?
NF:控えめにいっても1周0.5秒はロスした。レース前半は、おそらくもっとロスが大きかっただろう。マクラーレンやフェラーリに勝てたはずだとまでは言えないが、実際の我々のタイムより40秒は短縮できただろうね。
Q:4戦連続入賞を果たしたことで、いくらかプレッシャーも減ったのではないですか?
NF:我々は優勝と進歩を追及し、徹底して努力を続けていくと、以前言ったね。それを実現しつつあるということだ。この目標に向かって年末まで必死に取り組んでいくよ。チームは本当に素晴らしい仕事をしてきた。今年前半だけで、去年1年間よりも多くの変更をマシンに加えてきた。去年は思いがけなく、シーズン序盤から年間通してマシンが好調だった。今年の序盤は厳しい状況だったが、それでもゆっくりと確実に復調しつつあることを示せたと思う。
Q:ジェンソンを残留させるため、あなたはどういったことができるのでしょう?それとも、この件は純粋に、彼とフランク・ウイリアムズとの契約上の問題ということになるのですか?
NF:我々はこの契約については何も分かっていないんだ。ジェンソンが、彼らとしてはこの契約に拘束力があるとは考えていないとテレビで発言するのを聞いた。話し合いを最前線で行うのは、フランクとジェンソンでなければならない。我々としては、「彼のための場所を残してある」というチームとしての姿勢を、極めて明確に示してある。我々は来年以降も彼に残ってもらいたいんだ。しかし、この件は契約上の当事者二者間の問題だ。
Q:あなた方は、ルーベンス・バリチェロとの契約を近いうちに発表すると見られていますが、これについて何か話していただけませんか?
NF:今のところ、何も話すことはできない。ただ、我々のチームに興味を示してくれているドライバーが多数いることは、本当に喜ばしいね。ホンダのチームへの関与と今季のチームの進歩が、正しい方向への前進として受け取られているということだからね。これは嬉しいことだ。あとは発表を待ってほしい。