ペーター・ザウバーがフェリペ・マッサのチーム離脱について落胆の気持ちを述べたため、ルーベンス・バリチェロのBAR移籍という見方がますます強まることになった。
数シーズン前、キミ・ライコネンをマクラーレンに譲ったザウバーは、ビッグチームに加入するドライバーは常に彼のチームが育てていると自負している。そのザウバーは伊ガゼッタ・デロ・スポルト紙に対し、マッサにはもう1年チームにいてほしかったとの心情を語った。ところが、この発言は、彼の意思とは裏腹に、ハンガリーGPで関係者たちが話すことを避けてきたバリチェロの移籍を確認するような形になってしまった。
「フェリペにはもう1年チームにいてほしかった。しかし、今となってはそれももう遅い」とザウバーは語った。これにより、マッサが来シーズン、バリチェロに代わり、ミハエル・シューマッハーのチームメイトとして採用されるとの憶測が強まる結果となった。
2000年からミハエルとコンビを組むバリチェロは、ハンガリーGPで、ウイリアムズ入りするジェンソン・バトンに代わってBARと2年契約を結んだのではとウワサされていた。BARもバトンも、来季も今年同様一緒にやっていきたいと繰り返し強調しているが、スイスの契約承認委員会(CRB)は、バトンのウイリアムズへの移籍を指示すると思われ、そうなるとBARにはひとつシートの空きが出る。
BARのCEOニック・フライは、バトンの後釜にバリチェロが座るというウワサについて次のように語っている。「多くの人々が私たちのチームにその可能性があると見てくれているのは嬉しいことだ。ほんとうに多くの人々が興味を示している」
マッサがザウバーを離れれば、ニック・ハイドフェルドが新オーナーのBMWと共にザウバーで再びドライブすることができる。ハイドフェルドは現在、ウイリアムズのドライバーを務めているが、バトンがウイリアムズ入りすればチームを離れ、2006年からワークスチームとしてスタートを切るBMWが彼をチームに引っ張ると見られている。
マッサがザウバーを離脱すれば、ジャック・ビルヌーブのプレッシャーも緩和されるかもしれない。ビルヌーブはザウバーとあと1年契約が残っており、BMWも彼の残りの契約と共にザウバーを購入したのだと主張し続けている。