ジェンソン・バトンをめぐって様々な話が取りざたされているが、ハンガロリンクでもウワサは花盛りで、BARがすでにルーベンス・バリチェロと来季の契約を結んだという説まで飛び出した。
バリチェロは、ずいぶん以前からBARチームとの関係をウワサされてきた。特に、モナコで同僚のミハエル・シューマッハーとのいさかいがあり、時を同じくして、旧友のジル・ド・フェランがBARに加わったところから、そのウワサが生じた。しかし、すでにバトンと同僚の佐藤琢磨、アンソニー・デイビッドソンがいるチームに、どのようにおさまるのかは、まだ不明だ。
チームからもドライバーからも、この話を認める発言は出ていないが、元ワールドチャンピオンのネルソン・ピケがブラジルのオ・エスタード・デ・サンパウロ紙に対して、バリチェロはすでに契約書にサインしていると語ったところから、憶測がさらに加速した。
「僕には、これまで言ってきたことのほかには言うべきことはないよ――僕にはフェラーリとの契約があるし、それだけさ」とバリチェロはハンガロリンクでレポーターたちに語った。「ウワサは過熱している――ただもう、あっちへ行ったりこっちへ行ったりだ。ブラジルでは、みんな変化を欲しがっているんだと思う。だからそんなことを言い続けているんだ」。
「現在のところ、これまでの週と変わったことはないよ。ありとあらゆる所から話が出てきていて、君たちは僕よりよく知っているようじゃないか……全体としては、正直言って、僕には話すべきことはないよ。ジルとはずっと友達だけど、そこからすべてのウワサが始まったんだと思う。でも、彼が友達全員にシートを用意しなくちゃならないとしたら、BARは来季、5台か6台のマシンをグリッドに並べなきゃならなくなるね」
バリチェロは、同郷人のピケにもひとこと助言を述べた。
「僕は実際にネルソンと話したことはないけど、もしそういう話なら、彼は他人についてあれこれ言うよりも、自分の息子のキャリアのことに専念すべきだよ」
バトンは、昨年の今頃に起きた騒動の結果として、来季はウィリアムズへ行くという契約を持っているが、本人としてはBARに残留したいという意向を表明している。ホンダはまた、佐藤琢磨について、ぜひ残留させたいと考えているようだ。リザーブドライバーのアンソニー・デイビッドソンは、バトンの身代わりとしてウィリアムズにオファーされているが、BARとしては、彼を2006年に第一線でドライブさせたい意向であるとされている。