F1世界選手権第10戦フランスGPの公式練習3回目と4回目に続き、公式予選が行われた。
午後の予選に先立って午前9時から開始された公式練習3回目は、曇り空の下、気温18度、路面温度19度、湿度88%のウェット路面で開始された。しかし、天候回復の予報に期待した、多くのチームは出走を控え、パナソニック・トヨタ・レーシングの2台もタイム計測はならず。その後、30分のインターバルを挟み、午前10時15分に開始された公式練習4回目の乾き始めた路面で、各車最後のセットアップを行った。この公式練習4回目の終盤には、ラルフ・シューマッハーが好タイムをマークし、2番手。ヤルノ・トゥルーリは渋滞に阻まれ、10番手タイムとなった。
公式予選は、午後1時に雨は止んでいるが相変わらずの曇り空の下、気温は21度、路面温度25度のコンディションで開始された。予選の出走順は、前戦アメリカGPの決勝結果の逆順となるが、決勝を出走しなかったドライバーに関しては、アメリカGPの予選結果の逆順で出走することとなった。このため、アメリカGPで予選に出走しなかったラルフ・シューマッハーが1番目に出走。ポールポジションを獲得したヤルノ・トゥルーリは14番目に出走することになった。
路面状況が刻々と変わる中で、最初のタイムアタックという不利な状況ながら、ラルフ・シューマッハーは12番手タイム。決勝では、K.ライコネン(マクラーレン・メルセデス)の降格から11番手グリッドを確保。ヤルノ・トゥルーリは見事なアタックで、2番手タイムをマーク。今季4度目の最前列スタートで、明日の決勝レースへと挑むことになった。
明日の決勝レースは、午後2時(日本時間午後9時)に70周のスタートが切られる。
ディーター・ガス チーフ・レース・エンジニア「また、ヤルノ・トゥルーリが最前列スタートを決めてくれて、とても嬉しい。彼のいつものタイムアタックパフォーマンスに違いはないのだが、本当に素晴らしかった。予選2番手からのスタートということも含めて、良いレースを戦えそうだ。ラルフ・シューマッハーは、不幸にも、再び、最初のタイムアタックとなってしまった。彼は、アデレード・コーナーでブレーキをロックさせてしまいタイムロスを喫してしまったが、それが無ければ、予選トップ10には入れたはずだ。とはいえ、全体的に今日の予選には満足している。我々は、レース戦略に自信を持っており、明日の決勝レースで力を発揮出来ることを楽しみにしている」
高橋敬三 技術コーディネーション担当ディレクター 「非常に僅差の予選だったが、ヤルノ・トゥルーリが完璧なアタックで、フロントローを獲得してくれた。一方、ラルフ・シューマッハーは、一番目のアタックで、路面が滑りやすく、ターン5でブレーキをロックさせ、タイムをロスしてしまった。しかし、“TF105”のバランスは両車共に良く、競争力があると思われるのでレース戦略の構築とともに、明日の決勝レースでは表彰台を目指して頑張る」