F1第9戦アメリカGPは予選前の各45分のフリー走行3、4が行われ、マクラーレンのキミ・ライコネンが1分10秒643でトップタイムをマークした。2番手にはBARホンダのジェンソン・バトン、3番手にルノーのフェルナンド・アロンソがつけた。佐藤琢磨は5番手で予選前のセッションを終えている。
3回目のフリー走行は気温20℃・路面温度32℃のコンディションでスタート昨日午後、大クラッシュしたトヨタのラルフ・シューマッハーは不出場。「ラルフは片方の目が曇った感じだけど、自分としては80%OK!」と言うが、FIAドクターがストップをかけた。代わってラルフ車でリカルド・ゾンタが出場する。車両はラルフが乗ったそのままということでエンジンは交換していない。このラルフのクラッシュに関し、ミシュランよりラルフ、ゾンタに発生した一連のタイヤトラブルについてのリリースが出された。「原因は不明。全ユーザーとFIAに状況を説明し、予選、決勝のタイヤ使用についてアドバイスを与えた」と説明している。
最初の20分ほどはミナルディ勢が走行するのみ。トップチームはインスタレーション
ラップもせず、ピットでじっとしている状態。ようやく25分後にミハエル・シューマッハー(フェラーリ)が1分12秒180、ルーベンス・バリチェロ(フェラーリ)も1分12秒311から徐々にタイムアップ。結局、最速タイムをマクラーレンのファン-パブロ・モントーヤが1分10秒726をマーク。これは全セクターの最速タイムでもある。
このセッションタイムが計測されたのはモントーヤ、フェラーリの2台、デイビッド・クルサード(レッドブル)、ジョーダンの2台、ミナルディの2台の合計8台のみ。
このグランプリで前戦カナダから引き続いてエンジンを使用するのはBAR、ザウバーの2台とマクラーレンのキミ・ライコネン、ミナルディのクリスチャン・アルバース、ラルフのマシンを引き継いだゾンタ。このセッションは多くのチームが走行を重ねなかったが、次の4回目の走行では予選に向け最終調整が行われる。
予選・決勝と本線前最後となるフリー走行4回目。ここでは各車とも開始から走行を始めるが、ミシュランはアメリカに持って来た2種類のスペックが、どちらもレース距離を走れない懸念があるということで、FIAの許可を取って急遽フランスの本拠地クレモン-フェランからバックアップのための在庫品を取り寄せることとなった。P3でのあるミシュラン・ユーザーはコースイン→ピットレーンスルーを繰り返していた。ミシュランは連続10周以上するなとのアドバイスをしている模様。
開始8分でトヨタのゾンタが1分1秒760をマークしたのを皮切りに各車タイムを塗り替えていく。M.シューマッハー、モントーヤと11秒台のタイムを最初に破ったのはライコネンで10秒643。これにジェンソン・バトンが0.2秒差の2番手、佐藤琢磨も4番手につけるなど、昨日までの不調からBAR勢は反撃の糸口をつかんだようだ。その後、琢磨のタイムはM.シューマッハーが破り、5番手となるが、ライコネン、バトン(1分10秒844)、ルノーのフェルナンド・アロンソ(10秒920)、M.シューマッハー(11秒203)、佐藤琢磨(11秒324)、ジャンカルロ・フィジケラ(ルノー/11秒375)、トヨタのヤルノ・トゥルーリ(11秒457)、モントーヤのトップ8までが1秒を切る差でひしめき合っている。セクタータイムの最速はセクター1から3までM.シューマッハー、バトン、ライコネンとなっている。
予選はこの後、13時(日本時間深夜3時)にスタート。佐藤琢磨は5番目に出走する。