5月22日(日)、モンテカルロの市街地特設コースで、第6戦モナコGPの予選第2回目に続き、決勝レースが行われた。
午前10時に開始された予選第2回目は、予選第1回目のタイムと合算され、ヤルノ・トゥルーリは2つポジションを上げて5番手グリッドを獲得。ラルフ・シューマッハーはスペアカーに乗り換えたため初期チェックの1周のみに留め、最後尾から決勝レースへと臨むこととなった。
決勝レースは、午後2時、気温23度、路面温度42度、湿度62%というコンディションの中、狭い市街地コースを78周で競われる激戦へとスタートが切られた。5番手スタートのヤルノ・トゥルーリは好スタートを見せ、一気に4位へ躍進。その後も常に上位で走行を続けていたが、抜きにくいコースで、終盤64周目に“ローズ”ヘアピンで仕掛けた思い切った追い抜きが裏目に出て、ハンドリングに不調をきたし、無念の後退。10位でフィニッシュした。一方、最後尾からスタートしたラルフ・シューマッハーは、厳しいレースで着実にポジションを上げ、ポイント圏内の6位でチェッカーを受けた。また、パナソニック・トヨタ・レーシングは開幕戦からの2台完走記録を6戦へと更新した。
優勝は、キミ・ライコネン(マクラーレン・メルセデス)であった。
高橋敬三 技術コーディネーション担当ディレクター
「ラルフ・シューマッハーは、最後尾からのスタートにもかかわらず、積極的な走りで、今回起きたいくつかの不運を撃ち払って6位フィニッシュを果たしてくれた。ヤルノ・トゥルーリは、ずっとG.フィジケラに行く手を阻まれたのが痛かった。終盤、彼をヘアピンで追い越した際に、路面から何らかのダメージを負ってしまい、ピットインでチェックしたもののペースを落とさざるを得なかった」
冨田 務 TMG会長 兼 チーム代表
「ラルフ・シューマッハーの活躍で、とても良いレースとなった。そして、価値ある結果でもある。昨日のクラッシュの後、再び仕上げたTF105で、最後尾から6位まで躍進したのは、素晴らしいパフォーマンスと言わざるを得ない。また今年も、モナコは、いつ、何が起きてもおかしくない事を見せ付け、最後まで戦うことが必要だった。それに引きかえ、ヤルノ・トゥルーリは、とても不運だった。我々は、1回給油作戦を採っており、セーフティカーによるレース中断は、予想外であった。その結果、彼は他車に行く手を阻まれることになり、追越しを仕掛けて縁石を越えた際に、ハンドリングに問題を抱えてしまった。すぐにピットインさせチェックしたが異常が発見出来ず、再び送り出すしか無かった。ヤルノ・トゥルーリは、ポイント獲得を逃したが、両ドライバー共に素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれた。今シーズン最もスペクタクルなレースだっただけに、いささか残念ではある」