ジャン・トッドは、イモラでミハエル・シューマッハーが見せた13位からの追い上げを“チャンピオンのレース”と讃えつつも、2位という結果には完全に満足することはできないという。シューマッハーは予選で珍しいミスを犯し、レースでは他車をかき分けて上位を目指さねばならなかった。トッドはその走りを賞賛しつつも、自分が完全に満足できることはただひとつだけだと述べた。
「ただミハエルが勝つこと――それだけが私の望みだった。私が満足するには、ただフェラーリが勝つのを見るしかない。私は最後の10周の争いを見ても、ほかの皆のようには楽しめなかったよ!」とトッドは語った。
「ご存じの通り、モーターレーシングでの追い越しはほとんど不可能だ。それはF1に限ったことではない。私が思うに、4輪ではほとんど不可能だ。非常に滑りやすいコンディションにでもならない限りはね。ドライコンディションではほとんどありえない。レース序盤を見ればわかるが……みんなただ列になって走っていただけだ。ミハエルもルーベンスも非常に苦労するだろうとわかっていた。そしてミハエルは、あれほど多くの障害物を乗り越えることができたが、それでも最後まで1台は追い越せなかった。とはいえ、アロンソは素晴らしいレースをしたし、問題も起きなかった。唯一の問題は、あまりにも遅すぎたのに、いい仕事をして前にとどまり続けることができたということだけだ」
明らかに失望しながらも、トッドはすぐにシューマッハーの仕事を賞賛した。シューマッハーは、堅実な作戦とF2005の発揮したスピードを生かして上位に進出した。
「ミハエルはチャンピオンのレースをしたよ」とトッドは認めた。
「日曜の朝は(予選の失敗で)よくない形で驚かされたがね。1列目か2列目に入って、優勝を目指せるだろうと期待していたからだ」
レース開始前から、すでに勝利の可能性がなくなってしまったことを承知していても、やはりトッドはフェラーリの新車のパフォーマンスを見て嬉しく思ったという。
「励まされたよ」と、トッドは新車のスピードについて語った。
「どこに努力をつぎ込むべきかはわかっているし、すぐにもっと笑顔になれることを期待しているよ」
「私たちはバーレーンでも速かったが、それを見せることができなかった。バーレーンはF2005の初戦だったのだから勇気づけられた。これでF2005で初ポイントを獲得できたわけで、今後もっとたくさん獲得できることを期待しよう。予選をもっとよくする必要がある。前からスタートしなくてはならないからだ。前からスタートできれば、私たちはとても強いはずだ。それが、去年私たちがあれほど強かった理由なのだから。前からスタートできれば視界の外に消えてしまえると、私は確信している」