サンマリノGP終了後の車検で、ジェンソン・バトンのマシンが最低車重規程に満たないことが発覚したが、結局スチュワードからはお咎めなしとの裁定を受けた。
サンマリノGP終了後、バトンのマシンは車検を受け、数時間後にようやくパルク・フェルメへ移動された。レースの正式結果も、イベントが終了して6時間以上たった午後10時10分に、発表される事態となった。
FIAによれば、この遅れはレース委員がチームの代表者から事情説明を受け、関係資料をすべて精査した後、お咎めなしの判定を下すことになったためらしい。
通常、レース終了後すぐに、残った燃料を積んだままマシンの車重検査が行われる。このとき、ドライバーの体重も計測され、すべての重量が600kgを上回っていなければ規則違反とされる。
と同時に、FIAはまた、マシンを任意に選んで抜き打ち検査も行っている。この抜き打ち検査では、すべての燃料を抜いてマシンの重量を再計測する。イモラでは、たまたまバトンのマシンに関してこの抜き打ち検査が行われた。その結果、燃料を積んだ状態での計量検査には通ったものの、燃料を抜いた後の再計量では最低車重に満たず、検査にひっかかる事態となった。
つまり、BARは規則で禁止されている、燃料のバラスト利用を行っていた疑いがかけられたというわけである。レースのフィニッシュ時点での車重は、残っている燃料がなければ規定をクリアできないということが明るみに出たことから、レース中、2回のピットストップ前のある時点では600kgを下回る車重で走っていた可能性もあると考えられる。
しかし、BARは違法行為を行っていないとしており、レース委員には、1回目と2回目のピットストップ時にも燃料を十分に積んでいたとする文書を送ったものと考えられる。
無論、2回のピットストップ時に燃料を十分に積んでいたとしても、燃料をバラスト代わりに使っていたことを否定することはできないため、論理的に意味をなさない説明であるが、しかし、レース委員たちはBARの説明に納得した状態にある。仮に、バトンのマシンについて違法性が認められていれば、BARは故意に違法行為を行っていたと認識されたことだろう。
しかし、FIAはスチュワードの決定に対し異議を申し立てており、この件を審議するための国際訴訟法廷が、5月4日にパリにて行われることになった。