ペーター・ザウバーは、1997年の世界チャンピオン、ジャック・ビルヌーブとの関係が必ずしも順調ではないとは認めているものの、ヨーロッパラウンドのスタートを控えて、今以上に関係を悪化させたくはないと考えている。
ビルヌーブは、先週予定されていたテストスケジュールが変更され、木曜日に走行できなくなった後、チームを批判するコメントを発表した。それによって関係者は、ビルヌーブとチームとの関係が限界に近づいているのではないかと憶測している。ドライバーもチームも破局に向けて積極的に動いているわけではないが、F1への復帰を望んでいたビルヌーブとザウバーとの関係がいつ終焉を迎えるかが注目を集めている。
「ジャック・ビルヌーブとザウバー・ペトロナスとの関係は、現時点では難しい時期を迎えている」とザウバーは、ロイター通信に語っている。「しかし、これ以上ピリピリとした関係にならないように、これ以上のコメントは今は控えたい」
ビルヌーブは、テスト日程の変更によってサンマリノGPに向けた準備を行うことができず、また開幕以来ずっと期待していた新しい開発のテストをも行うことができなかったと不満を漏らしている。実際ザウバーは、今年に入って3つの‘アウェイ’でのイベント期間中のテストをまったく行っていない。しかしザウバーは、テスト日程の変更の理由をこう説明している。
「バルセロナでのテストの目的は、新しい空力関係のパーツを評価することにあった」とザウバー。「だがテストは順調に進まなかったし、水曜日の時点ではエンジニアは問題の原因を究明することができていなかったのだ。そのため、別の方向から解決方法を見出すために、フェリペ・マッサを走らせることに決めた」
マッサは、先週末のバーレーンでようやく2ポイントを獲得した。だがビルヌーブは、このレースで8位の座に近づいたものの、いまだポイントを獲得できてはいない。ビルヌーブは、ルノーで走った2004年の最後の3レースから引き続きポイントゼロの状況が続いており、彼にはまだ期待ができるという声もいくらかあるものの、多くの人間が彼はF1を引退すべきであると語っている。
しかしながらザウバーは、頑としてドライバー変更のウワサについてのコメントを拒んでいる。ウワサでは、代役としてBARのテストドライバー、アンソニー・デイビッドソンの他、レッドブル・レーシングのクリスチャン・クリエンやビタントニオ・リウッツィの名前も上がっている。