ジャック・ビルヌーブは、ザウバーでのここまでの不甲斐ない成績にまたもフラストレーションをあらわにした。またこの3レースのパフォーマンスで、ザウバーのチームリーダーとしての地位も誰かに取って代わられるかもしれないというウワサに対して反論した。
ビルヌーブは、今週バルセロナで行われたテストの後に、これまでの不振の理由として、開幕戦のオーストラリアから先週のバーレーンまでの間にテストを行うことができなかったことを挙げている。
「やっとテストができて嬉しかったよ。車のセットアップを詰めたかったし、メルボルンでのレース以来考えていたいくつかの新しいアイデアを試したかったんだ」とビルヌーブ。「冬のテストはとうてい満足のいくものではなかったし、シーズンが開幕してからはテストを行っていないからバルセロナは本当に僕らにとっては大事なセッションだったんだ。3日間が与えられており、僕はその内最初の2日間をドライブする予定だった。やるべきことはたくさんあったが十分な時間はあるはずだった」
「だが不幸な事に、僕のエンジニアと僕自身は、セットアップのプログラムや新しいアイデアの開発をこなすことができなかったんだ。初日の朝の走行でブレーキ故障が見つかったおかげでね。ブレーキペダルを完全に踏み切っても、まったくブレーキが効かなかったんだ。めったに起こるトラブルじゃないけど、すごく危険だよね。またコースに出る前にあらゆるチェックを行うために時間がかかってしまい、せっかくの大切な時間を半日も失ってしまった」
「この時点で、残った数時間をどう使うかで、僕らは限定された作業にプライオリティを置くことに決めた。その時には車のセットアップも見つけられていなかったし車のバランスも決まっていなかったんだけどね。それで僕らは2日目にはスピードとセットアップ関係の作業に集中しようってことになったんだ。僕らはまた、その日の残りを古いタイヤで走って、2日目に新しいタイヤを残すことにしたんだ」
「それからチームはその日の終わりに、テスト計画の変更を決定した。僕が言われたのは、金曜日にはかなりの雨が降ると予想されているから、ドライコンディションの今日はフェリペ（マッサ）に走らせるようにスケジュールを変更するというものだった。だから僕らはイモラに向けての準備に必要なセッティング作業のチャンスがまったくなかったんだ。テストの2日目は、新しいタイヤ、違う搭載燃料量、そしてさらにラバーが付いたトラックで、ずっと速く走れただろうし、バルセロナのレースコンディションにすごく近かったと思うんだけどね。すごく残念だよ」
ビルヌーブは明らかにフラストレーションをあらわにしている。崖っぷちに立たされていることに気付いているので尚更だ。彼の同期とも言える何人かのドライバーは、多くのレースファンの意見と同様に、彼はF1のキャリアに終止符を打つべきだと示唆している。 その一方で、パドックに飛び交っているウワサは、彼の代わりにレッドブル・レーシングのセカンドドライバーの座を一時的に失っているクリスチャン・クリエンが務めるのではないかというものだ。クリエンはレース経験の少なさを理由に、イモラ、バルセロナ、そしてモナコの3戦に参戦する事ができなくなっている。
このバルセロナでの状況は、ビルヌーブとザウバーとの関係の全てが順調ではないということを現している。またザウバーのチーム代表は、ビルヌーブに対する期待が薄れてきているとの報道も多くなされている。
「今回の状況がまた新たなウワサに火をつけることになるんだろうとは思うよ。でも僕らはそんなのにはもう慣れているし、僕らの作業にはまったく支障がないね」とビルヌーブは強く語る。「今の時点では、これまで落胆させられた車のペースを速くするため懸命に作業を続けているんだ」
「でも残念だけど、イモラは最初の3レースと同じような結果になるんじゃないかな。建設的なテストを行って、ステップアップを果たせることを期待していたんだけどね。先週のバーレーンと同様の落胆を味わうと思うね。そのバーレーンでは僕のエンジニア、ジャン‐パオロと僕は、より車のことがわかり始めてきたんだ。だから次のフィオラノでのテストでは自分達の作業に集中できるようになればと思っているよ」
ロン・デニスのボヤキ「ウチのドライバーのふがいな...
