チーム・ザウバー・ペトロナスは、自動車メーカー側との覚書にサインし、正式に彼らの側に立つことになった。先週、F1のライバルシリーズ立ち上げを狙うグランプリ・ワールド・チャンピオンシップ(GPWC)のメンバー、BMW、メルセデス、ルノーに、ホンダとトヨタが加わり、将来のシリーズのビジョンについて合意に達し、共同声明を発表したがザウバーはこれに賛同する立場を取ったことになる。
ザウバーのスポークスマンがクラッシュネットに語ったところによると、18日(金)、チーム代表のペーター・ザウバーがこの公文書にサインしたという。このことで、マクラーレン、ウイリアムズ、ルノー、BAR、トヨタ、ミナルディの各チームと歩調を合わせることになった。フェラーリを除く“9チーム”のうち、まだジョーダンとレッドブル・レーシングだけがサインをしていないが、英タイム紙によると、この2チームも追従しそうだという。
しかしながら、その2チームのオーナー、ジョーダンのアレックス・シュナイダーとレッドブルのディートリッヒ・マテシッツは、F1を牛耳るバーニー・エクレストンと深い関係を築いていると言われている。そのため、今のところフェラーリに賛同してはいないが、いよいよ孤立状態に置かれたフェラーリの後を追い、2008年末からの新たなコンコルド協定にサインする可能性もある。
ザウバーのサインのニュースは、エクレストンにとって悪い知らせとなった。エクレストンは、“9チーム”がフェラーリの判断に従って行動を共にし、フォーミュラ・ワン・マネージメント(FOM)およびFIAとの新協定に賛同することを願っていたからだ。フェラーリとの契約は逆効果となったようで、フェラーリが特別待遇を受けるというニュースが、より一層GPWC側を怒らせることになってしまった。GPWCは先週、FIAとは対照的に、新シリーズにサインした全チームには“対等の条件”を保証すると発表している。
ザウバーの決断は、フェラーリとの関係が弱まっていることを暗示するものだ。すでにミシュランタイヤへスイッチしており、さらに昨年のブラジルGPにおいて、当初“9チーム”によって賛成されたテスト制限にも参同している。またザウバーは、2006年からのエンジン供給に向けてBMWと交渉中であると言われている。