F1のライバルシリーズを立ち上げるべく自動車メーカーによって設立されたGPWCは、新シリーズでは収益を現在のF1より多くチームに分配するという提案をチーム側に持ちかけるつもりであると語った。チームに分配される収益は総額の80%にのぼると言われている。
英タイム紙によると、3月に行われるオーストラリアGP前に、この新シリーズの代理人たちは彼らの構想を伝えるべくF1のチーム代表たちと接触するつもりだという。GPWC側としては、チームの収益増が見込めることで新シリーズへと多くのチームが移行することを期待している。新シリーズは、現在のコンコルド協定が失効する2008年からスタートするものとみられている。
バーニー・エクレストンの監督下におかれている現行のシステムでは、参加10チームに支払われているのはF1によって得られた全収益のわずか23%のみである。この数字に、F1に関与している大手マニュファクチャラーたちは不満を持っている。4大メーカー、ルノー、フィアット/フェラーリ、ダイムラークライスラー、BMWは、この問題が解決に至らなければ、GPWCシリーズ設立計画を推し進める準備があるとしており、さらに、チャンピオンシップの運行をチーム側がコントロールするよう提案しているようだ。ホンダとトヨタは、まだGPWCへは加入しておらず、フォードはといえば、チームをレッドブルのオーナー、ディートリッヒ・マテシッツに売り渡しF1からは手を引いている。
GPWCのスポークスマンは、タイム紙で以下のように語っている。
「我々はバーニー・エクレストンを批判するためにいるのではない。彼はF1において、驚くべき仕事を成し遂げてきたのだから。だが、理想とされるほどにはうまくいっていないようだ」
「正しく行われていることも多いが、次第に正しくないことも多くなっている。我々は急ピッチで準備を進めなくてはならない。現実的に言って、時間に間に合わせるためには、2005年の間に全ての準備を整える必要があるからだ」
「我々は、チーム側、ファンの人たち、TV関係者の声に耳を傾けている。だからこそ、我々は骨組みがしっかりしていて透明性のあるシリーズをプロデュースできるのだ。それは、たった1人だけでなく全ての投資家が利益を得られるものである。我々には、もっとチームや顧客のプラスになるような、そして、スポンサーにグローバルな基盤を与えられるような、さらにバランスの取れた経済的なモデルが必要だ」
GPWCが独自のシリーズを敢行するという意思を明らかにして以来、エクレストンはF1にとって要となるサーキットとのイベント開催契約を確保してきた。最近になって契約を結んだシルバーストンもそのひとつである。しかし、すでにF1カレンダーに記載されている開催地にしても、新たに契約を結ぼうとしている開催地にしても、新シリーズでのレースを2008年から行うことを視野に入れ、GPWCとの間で交渉が行われている。