ザウバーのボス、ペーター・ザウバーが、前F1ワールドチャンピオンのジャック・ビルヌーブと間もなく契約を交わすという報道を否定した。
昨シーズンの日本GPを目前にBARを離脱し、以来F1から離れているビルヌーブは、ここ最近、ウイリアムズやBARなど複数のチームと接触を図っており、先日はヒンウィルにあるザウバーのファクトリーを訪れた。ビルヌーブは2005年のF1復帰を目指してハードトレーニングを行っているとも伝えられる。とはいえ、たとえビルヌーブが持参金を用意しようとも、彼がザウバーのシートを射止められるとは限らない。ザウバーは現在、ビタントニオ・リウッツィ、アンソニー・デイビッドソン、ゲイリー・パフェットといった若き才能のほか、様々な人材に目を向けている。
イタリアGPの初日、ザウバーはロイター通信に対して次のように語った。「セカンドシートについては全く決まっていない。私たちは現在、差し迫った状況にはない。急いで適格な人選を行うことは重要なことではない」
現在、セカンドドライバー候補の最右翼は、圧倒的な強さで今季の国際F3000のタイトルを獲得したリウッツィだと言われている。とりわけ、彼はザウバーと同じ飲料メーカーのレッドブルからスポンサードを受けてもいるためだ。また、ザウバーにエンジンとギヤボックスを供給しているフェラーリが将来的にリウッツィをチームに加入させるとも考えられている。リウッツィは来週へレスでザウバーのテストに参加する。
もしも、リウッツィがザウバーかフェラーリと1年のテスト契約を結んだら、ビルヌーブもシート獲得に向けてかなりの道が開ける。もっとも、33歳になったビルヌーブは、金曜日のプラクティスで好パフォーマンスを見せたBARのデイビッドソン、DTMで優勝経験のあるパフェット、来季はさまざまなチームとの噂がある現マクラーレンの正ドライバー、デイビッド・クルサードら、強力なライバルたちと熾烈なシート争いを繰り広げることになるだろうが。