オリビエ・パニスは、新型TF104Bの開発に3週間を費やし、ポイント獲得の期待をもってハンガリーGPへと臨んだ。
しかしながら、GP当初は良好なスタートを切ったものの、予選は13位、レースは11位フィニッシュとドライバー、チームともに期待していた以下の結果に終わった。だがパニス自身は車のポテンシャルは悪くないと感じており、シーズンが終わる前に自分達が描いている形に近づくだろうと楽観視している。
Q:オリビエ、夏休みは楽しめましたか?
オリビエ・パニス(以下OP):ホッケンハイムの後は、レースから離れてリラックスできてよかったよ。本当は僕らドライバーよりも毎日ハードに働いているチームスタッフの方がもっとオフが必要だと思ってるんだけどね。今年はバーレーンと中国のイベントが新たに加わって、日程はタイトになってきているし物資の輸送なども大変になっている。加えてレース以外にもTF104Bの開発も同時に集中してやってきているからね。
Q:ハンガロリンクについてはどう思いますか?
OP:ハンガロリンクは他のサーキットとはずいぶん違う。実際ドライバーにとっては肉体的にきついトラックで、コクピットではリラックスできる時間が全くない。いつも気温は高いしね。だからいい感触を得ながら週末を終えられたことには満足しているんだ。
Q:トラックの特徴は何でしょうか?
OP:トラックの性格という点ではハンガロリンクはモナコに似ているところがある。ダウンフォースは最大にして走らねばならず、またオーバーテイクは難しいという点だ。1コーナーで抜くチャンスはあるけど、それには若干の運も必要だね。だから予選の結果は他のレースよりも大事なんだ。
Q:そのトラックでの最大の問題点とは何でしょう?
OP:最大の問題点は特に初日に顕著なんだけど、路面がダスティだということだ。その後はだんだんとラバーが付着してきて路面状況はよくなってくるんだけどね。金曜日はタイヤの評価をしなきゃいけないんだけど、そのことが余計な要素となるんだ。より速く走るためにどれだけのダウンフォースを得たらいいかセッティングしなきゃならないし、限界ギリギリまで走るためにはどこでもそれは必要なんだけど、ハンガリーではホコリのためにセッティングの決定が難しくなるんだ。だからレーシングラインはわずか1本だけになり、さらにオーバーテイクが難しいという点が加わる。
Q:パナソニック・トヨタ・レーシングのハンガリーでのパフォーマンスはどうでしたか?
OP:金曜日のフリー走行では5番手タイムで、とてもハッピーだったよ。でも予選ではかなり遅くなってしまった。僕もリカルド(ゾンタ)も予選の時には少し風があって、それがスピードダウンの原因になったと思う。みんな高速コーナーが重要だという認識を持っている。スピードが乗っているからね。でも、実際には多くの時間をロスするのは低速コーナーなんだ。このトラックの路面はグリップが低いし、アンダーステア気味の性格になっている。さらに予想外の風が吹けばかなりの時間を失うよ。僕のグリッドは13番手、リカルドは15番手。ともに僕らが考えていたものではなかった。
Q:予選の結果がレースの結果を決定付けたと思いますか?
OP:ハンガリーではスタートの順位はフィニッシュの順位と同じだ。オーバーテイクが難しいからね。だから僕らの予選結果はレースパフォーマンスに大きく影響したよ。レースのスタートはまずまずで、ストレートではマーク・ウエーバーとほとんど並んでいたんだが、最初のコーナーのアクシデントがあって僕はそれを避けなければならなかった。そこはトラックのダーティーな場所で、その結果僕はポジションを落としてしまった。